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玉野 競輪選手の親族感染 公営競技初の中止

 岡山県の玉野競輪は2日、出場予定だった男性選手の親族に新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、2日から4日まで予定されていたレースを中止した。競輪、競馬などの公営競技がコロナの影響で中止となるのは初めて。
 
 選手は九州地区所属。1日、親族から陽性反応が出て、保健所から選手が濃厚接触者に当たるとして自宅待機要請が出た。陽性の親族とは同居していないが、3月29日に会食していた。
 
 親族からの連絡を受けて選手代表、日本競輪選手会岡山支部長、玉野競輪開催執務委員長、競輪を管轄する公益財団法人JKAが協議し、無観客開催中だが他の選手に重大な影響を及ぼす可能性があると判断。濃厚接触した選手の欠場だけでなく、開催中止を決定した。玉野市産業振興部・山下浩二開催執務委員長は「玉野市民の安心安全と参加選手の体調面を考慮し、市長と話し合い、苦渋の決断で中止に踏み切った」と話した。黒田晋市長も会見で「競輪場でクラスターを発生させてはならないと考え中止にした」とコメントした。
 
 レースには94人が出場予定だった。選手は1日に玉野競輪場に到着し、翌日からのレースに備えて自転車の組み立て最終チェック(前検)を行った。競輪場内の宿舎では他の2選手と相部屋で、食堂で複数の選手と会話しながら夕食も取った。その後に親族陽性の連絡を受け、隔離された。現在は自宅待機しているが、発熱などの症状は出ていない。
 
 JKA新型コロナウイルス感染症対策本部は、2日のレースに出場予定だった選手は15日までレースに出場できないと発表。検査の結果、濃厚接触した選手の陰性が確定した時は措置を解除する。今後の開催に影響するかについてJKAは「何も決まっていない」とした。
 
 ○…自宅待機となった選手は今後、PCR検査を受ける。陽性の場合、競輪業界にとって厳しいシナリオが待っている。他の選手や係員に感染の疑いがかかり、相当数が検査を受ける必要が出る。陽性が出れば、その選手の前回開催にさかのぼって周囲を検査する必要が出てくることも考えられる。最終的には全国的に一定期間、競輪そのものが開催中止に追い込まれる可能性がある。無観客開催となった後、電話・インターネット販売の不調から対前年比3割程度の売り上げで推移し、競馬、ボートと比べて打撃度の大きい競輪業界。関係者は祈るような気持ちで検査結果を待つ。
 
 ▼玉野競輪場 1950年開設。瀬戸内海に面した風光明媚(めいび)な競輪場。施設所有、主催は岡山県玉野市。1周400㍍バンクを採用。16年からナイター、ミッドナイト開催を導入した。