2日制の短期決戦「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」は5月31日、豊橋競輪場で最終日を開催。初日優秀を勝ち上がった9選手による第12R「スーパープロピストレーサー賞」は清水裕友の逃げに乗った松浦悠士(29=広島・98期)が抜け出して優勝。賞金317万円を獲得した。なお、「全日本プロ選手権自転車競技大会」は5月1日の発表通り、中止となっている。
終わってみれば松浦の完勝だった。車間をうんと切って清水を懸命に援護する。立て直した平原や、浅井の前から仕掛けた菅田のスピードに合わせて直線一気。勢いが違った。1番人気にしっかり応えた。
「開催自粛の波の中、自分は斡旋に恵まれている。今回も開催していただけたことに感謝したい。レースは、もう少し前との距離を取って、もっと清水君を援護できたかもしれない」。勝ちながら高いレベルでの反省を口にした。最初から最後まで隙がなかった。
初戦を10秒9のまくりで快勝。「競輪人生の中で一番の出来」と語った。盟友・清水が前回りを志願。パートナーに感謝しつつ、自信を胸に挑んだ。
「清水君の持ち味が一番出せる、前が良かった」。スタートで飛び出すが1番車の浅井に阻まれて初手は3、4番手。後ろ攻めとなった平原が赤板で前を抑えると諸橋、木暮、菅田でそれを追う。赤板2コーナーで単独になった清水が打鐘目がけてスパート。踏み合わせた平原だったが諸橋の力を借りつつ、中国勢を追った村上に飛びつくのが精いっぱい。さばかれた村上が内の諸橋を押し込み(押圧失格)諸橋が落車。平原は内を突かれて4番手。落車を避けた浅井も完全に仕掛けどころを失う。最後は松浦が伸び切った。
清水との最強タッグは相変わらず強力だ。「久留米記念(6日~)はブロック斡旋。清水君と対戦する可能性もあるので楽しみ」。互いを刺激し合い、高松宮記念杯(18日~、和歌山)では最高の走りで今年GⅠ初制覇を目指す。(岡田 光広)
♤松浦 悠士(まつうら・ゆうじ)1990年(平2)11月21日生まれ、広島県広島市出身の29歳。市立広島工業高卒。10年7月プロデビュー。通算855戦234勝。通算取得賞金は3億1802万円。主な優勝は第61回競輪祭(19年)、第4回ウイナーズカップ(20年)。1㍍68、73㌔。血液型O
【豊橋FⅡ最終日12R】松浦 余裕の差しV
2020/6/1