今年は新型コロナウイルスの影響で競輪界にも大きな動きがあった。新型コロナウイルス拡大防止のために開催中止を余儀なくされた時期もあったり、9車立てから7車立ての変更、地区内斡旋の取り組みなど。大変な状況の中、いろいろな改革が行われた。ビッグ戦線に目を向けると、オリンピックが中止になった影響で参加するはずだったナショナルチームが〝競輪〟に参戦。GⅠ、GⅡの舞台で大いに躍動した。
代表格は現在、競輪界を席巻している脇本雄太だろう。今年は高松宮記念杯、寛仁親王牌を制してGⅠ2冠。世界で戦う脚は絶品で、競輪界・最強の選手として君臨する。
新田祐大は寛仁親王牌、サマーナイト準Vで賞金を加算し、現在は賞金ランキング10位に。次走の競輪祭(18~23日、小倉)でグランプリ(12月30日、平塚)出場を決めたいところだが、やはり脚力はズバ抜けている。
深谷知広はビッグ戦線で、なかなか結果を出せていないが、11月に行われた全日本自転車競技大会では男子ケイリンで脇本、新田を撃破して優勝。男子スプリントも制して、まさに絶好調だ。充実している今なら、この勢いで競輪祭を制してグランプリ出場へ〝一発ツモ〟もあるかも。
ナショナル組以外で注目したいのが賞金ランキング9位の守沢太志だ。今年はオールスター、寛仁親王牌、ウィナーズCで優出。直近でいえば11月岐阜FⅠ(3日決勝戦)が印象的だ。総力戦を決意した初日特選は5番手から鋭く捲って快勝。続く準決も難なく勝ち上がり、周囲の度肝を抜いたのが決勝。中部地区のスーパールーキー山口拳矢、実力派の古性優作を相手にまたしても総力戦。インを切った守沢がそのまま逃がされる形になったが、古性、山口の巻き返しを封じて末良く押し切った。逃げ切っての優勝は価値あるもので着実に脚力がアップしていることがうかがえる。競輪祭の前に防府FⅠ(現在開催中)でさらに弾みを付けて、初のグランプリ出場へと向かいたい。
【記者コラム】強さ際立つナショナル組
2020/11/11