競輪界最大のイベント「KEIRINグランプリ」が30日に迫ってきた。今年は入場者が2000人に制限され、満員のファンに囲まれた独特の雰囲気を味わうことはできないが、最高の実力を誇る9選手によるバトルが今から楽しみだ。
28日からのグランプリシリーズは「ガールズグランプリ」でスタートを切る。女王・児玉碧衣の3連覇なるかが最大の焦点だ。女王に挑むのは獲得賞金1位の高木真備。五輪代表の小林優香は出走回数が少なく出場を逃したが、ベストメンバーといっていいだろう。ただ残念なのは、今年初出場を決めた選手がいなかったことだ。29日に行われるヤンググランプリには、ビッグレースで決勝進出を果たした松井宏佑、高橋晋也らがいるが、ガールズでは新勢力の台頭はならなかった。新年は新たなスター選手の活躍に期待したい。
今、取材に来ている高松のガールズ戦で、グランプリ初出場の期待がかかるのが坂口楓華と尾方真生だ。坂口は今年10Vで獲得賞金でグランプリ出場のボーダーラインにいた。「今年はグランプリを狙っていた一年ではなかったです。それで上位にいけたのだから、来年はもっとできると思いました」とあくまで気持ちは前向きだ。京都の大先輩の村上義弘を心の師匠と仰ぎ、さらなる地力アップをはかっている。「点数を上げるだけ上げてガールズコレクションへ」と新年への目標は明確だ。
尾方は118期の卒業記念レースVと抜群の潜在能力を誇る。「今は1周がギリギリなので、長い距離を踏めるように」と先行力に磨きをかける。「賞金上位でグランプリに出場することができれば…」とスタートダッシュをかけていく。トップクラスの壁は厚いが、新勢力の活躍がガールズを盛り上げる。(緒方 泰士)
【記者コラム】坂口&尾方 新年はGP出場へ勝負
2020/12/23