豊橋競輪場「開場71周年記念GⅢちぎり賞争奪戦」の決勝戦が1月31日の12Rに行われ、後方から捲った浅井康太に乗った吉田敏洋(41=愛知)が、直線で鋭く伸びて18年名古屋記念以来、3度目のGⅢ優勝を達成した。2着に松浦悠士。3着には諸橋愛が入線した。
最後は気持ちでつかみ取った。後方から捲った浅井が佐藤慎太郎のブロックに阻まれ失速。それでも、勢いをもらった吉田がそのまま突き抜けて豊橋記念Vを達成した。
「苦しい展開の中、浅井が思い切ってイチかバチか仕掛けてくれた」。盟友の仕掛けがあったからこそ届いたVに歓喜の表情を浮かべる。「準決に乗ったのは僕ひとりで、本来なら金子(貴志)さんと一緒だと思ったのに寂しかった。その思いも全部、背負って走ることができた」。途中欠場したホームバンクの金子の思いも背負い、最後まで戦い抜いて地元の牙城を守った。直線の最後の伸び比べは、地元の声援と託された思いを一心に、全力で踏んだ結果だ。
「全日本選抜(2月20~23日・川崎)まであと1カ月もないので、この勢いを殺さずに加速できるように。もっとトレーニングをしていきたい」。今年早々の地元記念で、競輪界屈指の実力者を撃破して幸先いいスタートを切った。見据える先はGⅠ戦線。勢いに乗る中部の闘将が、さらなるパワーアップを遂げて大舞台でも躍動する。
【豊橋「GⅢちぎり賞争奪戦」】吉田 3度目GⅢ優勝
2021/2/1