昨夕、緊急事態宣言の1カ月延長が決定した。今回の宣言では栃木県は除外されたが、首都圏4都県、東海2県、近畿3府県、福岡県の10都府県は来月7日までの間、引き続き制約付きの生活を余儀なくされる。
ここでまず心配になってくるのが20日に川崎競輪場で開幕する第36回全日本選抜競輪(GⅠ)の開催有無だ。昨年12月の段階で1日3000人の入場規制を目指し、その事前抽選もすでに終了している。ただし、これは緊急事態宣言が出される前の話であり、1月7日の緊急事態宣言を受けた川崎競輪場では、1月18日から2月7日までの本場無観客開催と場外発売の中止で運営されている。
もちろん自治体の長である神奈川県知事が「ノー」と言ってしまえはそれまでだが、昨年5月の日本選手権(静岡)中止は競輪界に大きな損害と影響を及ぼした。その二の舞いだけは絶対に避けなければならない。
幸か不幸か、和歌山競輪場(岸和田記念)で起きてしまったクラスター(集団感染)をきっかけに、競輪界では参加全選手を対象としたPCR検査や抗原検査がすでに始まっている。この感染症対策の強化を逆手に取り、最低でも無観客開催にはこぎ着けたいところだ。その場合、事前抽選に当選した1万2000人のファンにも何らかの誠意を見せ、我慢してもらうほかはないだろう。緊急事態宣言の延長下にある各競輪場では、今後も新たな動きが出てくる。来場する際はホームページ等でしっかりと状況をチェックしておくことをおすすめしたい。
最後に、経済的にも厳しい状況は続くが、どうか競輪から離れないでほしい。選手たちはファンの方に最高のパフォーマンスを見てもらうため、雨にも雪にもコロナにも負けず、必死で頑張っている。そこから生まれる筋書きのないオンリーワンのドラマに、この世界的な難局を乗り切る勇気や希望を感じ取ってもらいたい。(岡田 光広)
【記者コラム】緊急事態宣言延長…全日本選抜の運命は
2021/2/3