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【記者コラム】56年ぶり特別競輪”川崎の熱気”再び

 20日から川崎競輪場で今年初のGⅠ「全日本選抜競輪」が開幕。川崎競輪場での特別競輪は65年(昭40)5月オールスター以来、56年ぶりの歴史的開催だ。
 
 川崎といえば私を含めたオールドファンには〝競輪のメッカ〟。競輪が1兆9553億円(91年度)を売り上げていた時代、川崎競輪場の賑わいは凄まじく、今でも鮮明に覚えている。
 
 川崎駅を出るとタクシー乗り場に行列。チケット(私の記憶は1人300円)を買うとタクシー1台にファン5人が詰め込まれて(今考えてみると定員オーバー⁉)次から次へ競輪場に直行。競輪場に着くと紙と鉛筆(何故か赤鉛筆が多かった)を持って窓口に並ばないと締め切りに間に合わないほどの行列。黄色い帽子を被った両替屋(配当金に応じ手数料を取る)を利用するファンも多かった。
 
 当時のスポニチ紙面は川崎と花月園の2場が「スポニチワイド」の特別版。前半戦の終了間際に記者席(ホーム側)から選手管理棟(バック側)に取材移動する際は人混みをかき分けて歩くのが一苦労だった。
 
 川崎競輪場の隆盛を示す記録が残る。1日の最高入場者数は6万2841人(65年5月5日=オールスター決勝)。1開催最高売り上げは139億9474万円(03年4月5~8日の4日制度の記念)。また普通競輪(現在はFⅡ)も川崎本場のみで1日10億円売れる日も多くあり、特別競輪(現在はGⅠ)に目を向ける必要は全くなかった。
 
 その後、売り上げは右肩下がり。川崎競輪の施行者として通算12年のキャリアを持ち、競輪事業に詳しい川崎市公営事業部長の木暮氏は「(競輪場の)コンパクト化を目指して(10年~)リニューアルに着手。ファン向けの整備を終えて4年前からGⅠ開催を見据えてきた」。その結果、56年ぶりの特別開催が決まった。新型コロナウイルス感染症拡大防止策により無観客開催となるが、映像を通して〝川崎の熱気〟が届けられることを期待する。
 
 ♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の58歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に関根幸夫(引退)ら59期生デビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋34年。勝負レースは5車の結束、番手捲り、競り。