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【記者コラム】成清 亡き息子の思いも背負って

 2月24日。競輪界に悲痛なニュースが入った。街道練習中の競輪選手が停車中のトラックに衝突し、死亡した。亡くなったのは21歳の成清龍之介さん。日本競輪選手養成所を在所成績10位で卒業し、昨年5月にデビュー。2度の優勝も果たして、GⅢ2勝を誇る父と同じ、それ以上の活躍をと期待されていた。
 悲劇の11日後、父・貴之(47=千葉・73期)は静岡FⅠ(8~10日)の前検に姿を現した。「走ることが供養になると思う。一番つらい時こそと思った。一番走りたかっただろうけど、走れないのだから」と参加した決意を語った。
 初日特選は「強い相手とやるには練習不足」の言葉通りに、単騎で何もできず。厳しい戦いが予想された2日目準決勝。堀内俊介(31=神奈川・107期)が男気先行。成清はその熱い気持ちにも応え2着に食い込み、決勝進出を果たした。「自分のタイミングで仕掛けてくれればいいのに…。泣かせるレースをするよ」と涙を流しながら後輩の頑張りに感謝した。
 迎えた決勝。初日と同じメンバーで再び単騎戦。苦しい構成だったが、今度は見せ場を演出。最終4コーナーで内を突き、直線で3番手に。優勝が届く位置まで攻めたが惜しくも3着。それでも万全の状態ではない中、気持ちだけで決勝確定板入りを果たした。
 開催中、右太ももに「N,RYUNOSUKE」の文字が入った練習着を着ていた。「息子のだよ。身長もほぼ同じ。僕の方少しが高いかな」と息子の思いも乗せて走っていた。夢の親子連係はかなわなかったが、父はこれからも息子の分も背負って走り続ける。