5車立て、6車立て。「競輪は9車」が当たり前の私はマークカードを塗る筆圧が落ち気味だ。
新型コロナウイルス感染拡大防止策の一つとしてFⅠ、FⅡは昨年7月から7車立てで開催されている。それでも「S級上位のレースは9車こそ」の声を受けて記念(GⅢ)は昨年10月から9車立てに戻った。
5車、6車、レースカット。「何でこうなるの?」ファンの声を耳にする。
理由はこうだ。今年2月から新型コロナウイルス感染拡大防止策の一つとして「追加、流用、補充の斡旋を行わない」が加わった。野口裕史(37=千葉)が優勝した4月15~18日の西武園記念を例に挙げる。
この開催に斡旋が決まった選手は参加申し込みを行う。この締め切りが西武園のケースは3月25日。この日までに欠場(負傷など)が届けられれば、その人数分の追加斡旋を行う。従って3月25日時点では108人プラス予備選手1人がいる。全員が出場すれば初日は9車立ての予選11レースと特選が争われる。
しかし3月26日以降に欠場者が出れば追加斡旋は行われず、予備選手が正規に繰り上がるのみ。となれば前検日の4月14日までに欠場者が出れば車立てを減らすしかない。西武園記念の初日は1~10Rが8車立てで10人欠車からのスタート。そして補充を行わない。2日目は1~5Rが7車立て、3日目は1~3Rが5車立てで行われた。
5月開催も「追加、補充を行わない」に決まった。例えば5月20~23日の前橋記念の参加申し込み締め切り日は4月28日。ということは京王閣ダービー(5月4~9日)の出場選手は落車、負傷が考慮されていない。参加申し込み締め切り日を5月10日くらいに延ばせれば多少は欠車が解消できる。記念の初日予選9車のレースを見るため、5車立てを減らすためにも参加申し込み締め切り日の見直しを提言したい。
♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の58歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に倉岡慎太郎(熊本)ら59期生デビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋34年。通算車券購入額上位者①神山雄一郎②鈴木誠③小橋正義。
【記者コラム】欠車解消へ申し込み期限見直しを
2021/4/22