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【記者コラム】”初任給”全額寄付した新村の使命感

 「競輪選手として社会に貢献したいんです」。新村穣(27=神奈川・119期)はデビュー戦となったルーキーシリーズ(静岡、1~3日)で獲得した賞金全額、18万4958円を静岡市に寄付。市の新型コロナウイルス感染症関連施策に役立てられる。
 新村はトラック中距離部門においてナショナルチームに所属し、トラックレースの全日本選手権で優勝したこともある自転車エリート。「自転車競技をやっている身としても競輪を盛り上げていきたい」と、この5月に競輪選手としてデビューを果たした。デビュー戦の成績は⑥①③。決勝には進めなかったが、2日目には1着。養成所時代は先行回数トップ。最終日には磨いてきた力で風を切り、ラインを組んだ神奈川勢で上位独占を決めた。
 そんな競輪選手、初戦。当然プロとして手にした初の賞金はいわば〝初任給〟。辛い養成所生活や、練習を頑張ってきたことで得られる対価でも関係なく新村は動いた。「加瀬さんや、深谷さん、郡司さんなど先輩選手たちの姿を見て自分も行動に移そうと思いました。競輪での走りを通していろいろな人の力になりたい」と寄付への経緯を語る。
 人のためにという思いだけではない。競輪のためにもだ。「競輪がたくさん社会に貢献しているのは知っています。自転車競技もやっている自分が、頑張ったり行動したりすることで、競輪の裾野が広がると思っているし、競輪の必要性を知ってほしいんです」。ルーキーとは思えぬ責任感と使命感が見えた。
 稼ぐ、魅せるだけではない。競輪のために、そして人の力になるために…新村は競輪選手として、ペダルに力を込めていく。
 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の25歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。ルーキーシリーズでは完全Vを達成した犬伏湧也(25=徳島)の強さ、リオ五輪にも出場した窪木一茂(31=福島)の落ち着きにも感銘を受けた。

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