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【記者コラム】強い奥井迪が帰ってきた

 逃げて勝つ。原点に帰り、強い奥井迪(ふみ、39=東京・106期)が帰ってきた。きっかけは〝絶対女王・児玉〟の師匠だった。
 ガールズケイリンで一番先行してきた選手と言っていい奥井。14年デビュー。先行基本のスタイルで白星を量産し、積み上げた勝利数は398(26日現在)。歴代2位だ。全員が単騎で先行不利なガールズケイリン。先行を武器にして、この成績は素晴らしい。
 ただ、昨年の奥井は奥井らしくなかった。捲りを多用するようになった。先行して捲られる…その繰り返しがメンタルにも体にもこたえたことは想像がつく。自身が「真面目過ぎる」と分析するように悩みの渦に入った。そして、決して器用ではなく、ダッシュ力が飛び抜けているわけでもない奥井にとって〝捲り〟は正解ではなかった。結果が出ず、レース後に何度も頭を抱えた。
 どん底の奥井にアドバイスが届いた。「原点に戻って先行基本にやっていった方がいいんじゃない?」。そう伝えたのは藤田剣次(43=福岡・85期)だ。ガールズグランプリ3連覇中、児玉碧衣(26=福岡・108期)の師匠だ。奥井は語る。「以前も藤田さんに話を聞いてもらったことがあった。だから、その言葉を信じた。セッティングも先行する仕様にしてもらった」。その効果はすぐに出た。先行、先行、先行。本来のスタイルで勝ち星が戻ってきた。「今は先行する気持ちに迷いがない。走っていて楽しくなりました」。奥井に笑顔が戻った。
 「もう一回、上の舞台に戻らないといけない」(奥井)。再び目指すは頂点を争う戦いの場。そこに立ちはだかる藤田の弟子・児玉を女王の座から引きずり下ろすことが藤田への恩返し。奥井が再び風を切り始めた。
 ◇渡辺 雄人 (わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の25歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。高校時代にサインをもらった浅井康太を先日、初取材。「憧れでした」と言うと「ウソやん」。色紙の写真を見せると「ホンマや!」。熱意は伝わった。

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