富士山バンクで初開催されるグランプリ2018。今年のベストナインがそれぞれの思いを胸に、決戦の地に顔をそろえた。
ナショナルチームの米マイアミ合宿のため18日の前夜祭を欠席した脇本。時差14時間の南国から24日に帰国し、まだどこか寝ぼけまなこ。それでもブルーのサイクルウエアに袖を通し「見ているだけだった憧れの舞台に立てて今でも信じられない」と顔を引き締めた。
競技と競輪の二足のわらじを履く29歳。昨年12月のW杯ケイリンで日本人14年ぶりの金メダルを獲得し、今年は競輪界を席巻した。5月のダービー以降全てのGⅠで優出し、オールスターと寛仁親王牌の2冠。「ダービーが終わってから自分の中で強くなれる道筋ができた。まだまだ強くなれるところがいっぱいあった」と充実した表情で振り返った。
今年10月のW杯開幕戦(パリ)で通算2勝目を飾り、マイアミ合宿では「4週間みっちり練習し凄く充実」。時差調整についても「全く不安はない」と死角は見当たらない。ナショナルチームのブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチからは「GPのたくさんのお客さんの前で結果を出すことが東京五輪につながる」と〝指令〟を課された。悲願の金メダル獲得へ、まずは競輪界の頂点に立つ。
脇本と行動を共にする新田は4年連続5回目のGP。今年最初のGⅠ全日本選抜を制したものの、脇本ほどのインパクトは残せなかった。それでも「自分の中では戦える感覚をつかめた」と不適な笑み。勝ち切れなかったダービー、オールスターの敗因を血液検査などで分析し「万全の対策ができるように態勢を整えてきた」と自信をのぞかせた。脚力は脇本に勝るとも劣らない。単騎からここぞの一発でGP初戴冠を狙う。
(出田 竜祐)