競輪日本一を決める「KEIRINグランプリ2018」は30日、静岡競輪場で行われ、脇本雄太の逃げに乗った三谷竜生(31=奈良・101期)が追い込んでグランプリ初制覇。賞金1億160万円を獲得し初の賞金王に輝いた。三谷の今年の賞金獲得額は2億5531万3000円となり、山田裕仁氏の2億4434万8500円(02年)を超え、年間賞金の最高記録となった。
最後も近畿の結束力が実を結んだ。打鐘で脇本がカマしてライン4車で出切るとハイピッチで飛ばしていく。番手の三谷が直線でこん身の差し切り。2度目の挑戦で頂点に立った。
「素直にうれしい。脇本君は打鐘のところで浅井さんの動きが気になって行きづらそうだったけど非常にかかっていた。清水君が来たので多少張ったぐらい。外に浅井さんが見えたし踏んで優勝を狙いにいった」
5月平塚・日本選手権、6月岸和田・高松宮記念杯に続き、またも脇本の番手で戴冠。村上兄弟に続く近畿では3人目となるGP覇者が誕生した。
「ダービー、宮杯もラインで走った中での結果。近畿の強さを改めて実感できました」
充実した一年のように感じられたが、大きな悲しみを乗り越えていた。母・湖雪(こゆき)さんが寬仁親王牌初日の10月5日に亡くなった(享年61)。「今まで育ててもらって感謝していたし、もう少し一緒にいたかった。母のために優勝すると思っていたので、できて良かった。いい恩返しができたんじゃないかなと思います」と話すと涙があふれた。
GPを制し年間賞金獲得額が2億5531万3000円。史上最高額を樹立した。「入る前から記録は言われていたので抜けたことはすごくうれしい」。優勝賞金1億160万円の使いみちを問われると「物欲がないので決めてない。何か記念になるものを買いたい」と少し照れくさそうに話した。来年は1番車のチャンピオンユニホームを着用することも決定した。
「一年間、責任あるレースが増えるので、しっかり走りたい。自分の競走スタイルは変わらない」
進化を続ける近畿の若きエース。19年はさらなる強さを見せつける。(亀田 克也)