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【記者コラム】全日本選抜は清水裕、浅井康に注目

 昨年のグランプリは三谷竜生が涙のVで締めた。新期に変わり各地で熱い戦いが演じられている競輪界。今年初のGⅠである全日本選抜競輪(2月・別府)まであと1カ月を切った。S班と各地区の得点上位者(30年6月~11月集計)で争われ、まさに〝最強決定戦〟にふさわしい大会だ。

 

 過去10年の傾向ではタイトルホルダーのVが目立つが、08年の三宅伸や16年の渡辺一成はここでGⅠ初優勝を挙げて悲願を達成している。新興勢力の台頭も十分可能だろう。ナショナルチーム所属の脇本雄太や新田祐大などはオリンピック出場を目指して競技に専念しており、出場を辞退している。昨年の競輪界を沸かせた脇本の欠場は残念だが、そのぶんメキメキと頭角を表している若獅子が目を光らせている。

 

 まずは昨年一気にブレークした清水を忘れてはいけない。ビッグ初優参を果たした共同通信社杯では平原康多に伸び負けるも気迫の中割りで❷着。寬仁親王牌では臆せず打鐘から駆けて見せ場をつくった。グランプリは脇本をまくり切れなかったが、ひるまず攻める姿勢と類いまれな勝負根性はさすがの一言。年が明けた立川記念決勝では、俊敏に3番手を取るとゴール前で浅井との伸び比べを制して2度目の記念Vを飾っている。成長は止まらず、今年は昨年以上にパワーアップした姿をみせて大舞台でさらなる活躍が期待できる。

 

 2度のグランプリ覇者である浅井がV最有力だ。昨年は記念で4V、常に安定した結果を残していて、競輪祭では自身7年ぶりのGⅠVを飾った。グランプリでは単騎で最終バック8番手の展開も、鋭くまくって脇本の番手から抜け出した三谷に迫る❷着。負けて強しの内容だ。伸びシロは計り知れず、日々進化を続けている。威風堂々の立ち回りで猛者どもをぶった斬る。(栗林 幸太郎)

 

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