ニュース&記者コラム

和田 初出場V KEIRINグランプリ2020

 和田健太郎が初出場Vを決めた――。「KEIRINグランプリ2020」が30日、平塚競輪場で行われ、和田健太郎(39=千葉・87期)が優勝。賞金1億340万円を獲得してトップを走っていた松浦悠士を逆転して初の賞金王に輝いた。初出場でグランプリを制覇したのは13年の金子貴志以来。なお、2着は脇本雄太で2車単❹❷は2万20円(55番人気)、3連単❹❷❾は22万1650円(419番人気)で大波乱の決着となった。
 
 脇本—平原で逃げて松浦に郡司が5番手。新田が7番手は予想された展開だ。「あのような展開になるのは郡司君と話していた。あとは郡司君の直感に任せていました」。
 
 しかし郡司は清水のけん制を受けて失速。「彼がきつそうだったので、あとは内を行けるところまで行こうと」。松浦が仕掛けて外に浮き、続く清水が内に踏み込む。この瞬間にビクトリーロードが見えた。空いたインを一気に伸び切り、初出場で栄光のゴールを駆け抜けた。決してエリートとは言えない努力の人が競輪界の頂点に立った瞬間だった。 
 
 「周回中は間違えないように自分で回数を数えていました。本当にうれしいの一言ですが、正直、獲ったという実感がない。まだフワフワしています」
 
 競輪学校(現競輪選手養成所)は在校順位29位。記念VがあるのみでビッグレースのVはない。今回のグランプリ出場も獲得賞金を積み重ねてのものだった。9選手の中ではあくまで伏兵の存在。それは2車単、3連単の払い戻しがグランプリ最高額ということからもわかる。それでも地道な努力からもたらされた一瞬の判断力とタテの威力で、自転車競技のエリートの脇本と新田、タイトルホルダーの平原、松浦を破る大金星につなげた。
 
 新年からは毎レース1番車のチャンピオンユニホームを着ての走りになる。「位置も取らないといけないし責任もある。気が重たいです」
 
 どこまでも謙虚だ。それでも一度出場すれば、どの選手も雰囲気に感激し必ず出たいのがグランプリだ。「来年も自分の車券を買っていただいて、またグランプリに来たいと思います」
 
 最後も誠実な姿勢を崩さない。さらなる地力アップを果たし、南関ラインの司令塔として競輪界を引っ張っていく。(緒方 泰士
 
 ◆次回出走予定 和田健太郎は和歌山記念(1月9~12日)、2着の脇本雄太は未定、3着の佐藤慎太郎は大宮記念(1月14~17日)

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