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【記者コラム】”怪物深谷”×オカジュンで静岡全体を強く

 〝怪物〟と強くなる覚悟を決めた。21年1月、深谷知広が静岡へ電撃移籍。デビュー最短GⅠ制覇の記録を持つ〝怪物〟の移籍は競輪界にとって衝撃だった。当然、ラインも中部から南関へ。同県となった岡村潤(39=静岡・86期、写真)は言う。「年齢的にもここが強くなれる最後」。
 岡村は記念こそ2度優勝しているが、GⅠの決勝は17年の前橋・親王牌の1度だけ。それでも堅実なマークに加え、目標がいなければ競りに行くガッツもある
。ビッグ戦線でもっと結果が出ていてもおかしくない。そんな岡村と深谷の〝同県連係〟は6度。ワンツーは2度あるが、離れも2度ある。責任ある場所と言える位置に「一番GⅠ決勝に近いと思う場所。同県として譲れないし、迷惑もかけられない。ただ、〝まずはついていくこと〟と考えてる時点で、すでに遅れている」。深谷に食らいついても、殊勲の2着はあってもタイトルはない。「もちろん強くなろうと思っていたが、ぼやけていた部分がはっきりした。そういう覚悟を持って練習に取り組んでいる」。深谷についていく、深谷を抜く。タイトルを獲る。決意は固まった。
 ただ、強くなるのは自分だけではない。後輩思いの岡村は言う「自分が考えたこともないような自転車への考え方を持っているし、本当に尊敬できる。その深谷の考え方を若手にも吸収してほしい。雰囲気から違うし、深谷自身も引っ張るという立ち振る舞いをしてくれる。静岡を底上げしてくれる選手」。静岡全体で強くなる。〝怪物〟×〝オカジュン〟。日本一の富士山のふもと静岡を日本一の競輪国に導く。その可能性までも考えている。
 夢のタイトルへ、「しっかり近づいている。そういうイメージはありますよ」。深谷とともに。静岡でともに。覚悟を決めた男は強い。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の26歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。先日、実家に帰ると母に「整理したら出てきた」と、昔ゲットした神山雄一郎のタオルを自慢げに見せられた。

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