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【岸和田GⅠ最終日決勝】古性 涙の連覇

 古性が高松宮記念杯連覇――。

 大阪・関西万博協賛GⅠ「第74回高松宮記念杯競輪」の決勝戦は6月18日、岸和田競輪場で行われ、脇本雄太の逃げに乗った古性優作(32=大阪・100期)が抜け出して優勝。賞金4590万円(副賞含む)を獲得した。古性の高松宮記念杯優勝は昨年に続いて2回目。またGⅠ優勝は今年2月の高知全日本選抜競輪以来、通算5回目となった。

 表彰式に現れて、ファンの声を聞くと涙が止まらない。何度も何度もタオルで顔をぬぐう。

 「初日から1番人気に推してもらっての落車でお客さんに凄く迷惑をかけました。精神的にきつい部分があって、声を聞くとグッときて…。勝手に感情が湧き上がってきました」

 過去のグランプリV、GⅠ4Vでは見られなかったクールな男の涙。それほど地元開催のプレッシャーは大きかったのだ。

 レースは脇本が突っ張る展開に。「新山君が抑えに来るのが遅かったので、脇本さんのスイッチが入りそうと。突っ張ったのはビックリでした」

 脇本が逃げれば近畿ラインが絶対有利だ。最終バックでは4番手の松浦が捲ってきたが「稲川さんにもチャンスがある走りがしたかった」とけん制して、返す刀で踏み込みゴールを駆け抜けた。

 今大会へ向け万全の状態で乗り込んできた。前検日のリラックスした笑顔が印象的だった。それがまさかの初日落車、再乗に「精神的には崖っぷちでした」と振り返る。体の状態は決して良くなかったが強い気持ちで3日目からは3連勝。「精神的な強さを自分でも感じることができました」と、さらなる進化を遂げていたのだ。

 今年、早くもGⅠ2V。最強・脇本とのタッグは無敵だ。それでも「1人でも多くの近畿の選手がグランプリに乗ることを意識して走りたい」と気を引き締める。試練を乗り越え一回り大きくなった男が、続くGⅠ戦線でも主役の座は譲らない。(緒方 泰士)

 ◇古性 優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日生まれ、大阪府大阪市出身の32歳。私立清風高卒。11年7月プロデビュー。通算成績は983戦300勝。通算取得賞金は7億8512万円。主な優勝は第64回オールスター(21年)、グランプリ2021(21年)、第37、38回全日本選抜競輪(22、23年)、第73、74回高松宮記念杯(22、23年)。1㍍68、77㌔。血液型O。

 ◆次走斡旋 優勝した古性優作、2着の佐藤慎太郎は前橋GⅢ(29日~7月2日)、3着の稲川翔は松戸FⅠ(27~29日)。

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