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【記者コラム】車輪の音もドーム観戦の魅力

 前橋競輪開設記念「三山王冠争奪戦」が開幕。1月の当コラムで三山(みやま)王冠の命名の由来に触れたが、29日が開幕となれば三山のおさらいを。

 「三山とは上毛三山(じょうもうさんざん)のこと。前橋市内から見て右から赤城山、榛名山(はるなさん)、妙義山(みょうぎさん)。上毛三山は前橋市民に浸透している」ことから前橋記念の名称になった。

 前橋競輪場は90年8月にドームに新装、世界選手権が行われた。この開催を記念して92年に世界選手権記念トーナメントが始まり、94年から4日制の特別競輪となり現在に至る。前橋ドームで始まった寛仁親王牌はその後、青森競輪場(3回)と弥彦競輪場(6回)で開催されている。

 前橋ドームといえば寛仁親王牌のイメージが強いが他のGⅠも4回開催されている。最初は92年3月の前橋ダービー。雪が降る中〝ドーム効果〟を発揮した大会は吉岡稔真(福岡=引退)がデビュー史上最速のダービー制覇を飾った。第1回の寛仁親王牌も優勝した吉岡稔真は「ドームの申し子」と呼ばれた。

 次は11年6月の高松宮記念杯。前年まで大津びわこ競輪場で開催されていた高松宮記念杯は前橋に場所を移した。同大会は深谷知広(静岡)がデビューから史上最速684日目でGⅠ優勝という快挙を達成した。

 その後は12年9月と14年9月にオールスターを開催。12年は山崎芳仁(福島)、14年は武田豊樹(茨城)のビッグネームが優勝した。

 前橋ドームで開催された記念競輪(4日制)の優勝者は矢口啓一郎(群馬)、浅井康太(三重)、小倉竜二(徳島)の3人で浅井が13年と15年の2回優勝。

 ドームバンクで観戦して30数年たつが、残り3周までの車輪の流れるような音が良く聞こえるのがいい。お世話になった先輩に言われた「競輪は(車輪の)音!!」を耳にするのもドームの魅力の一つだ。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の60歳。慶大卒。87年4月入社、同5月から競輪担当で現場取材一筋36年。デビュー戦(59期生以降)から見てきた選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。

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