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【記者コラム】桑名 憧れるのをやめず平原に近づく

 憧れるのをやめません!119期の卒記チャンプ・桑名僚也(26=埼玉)は根っからの競輪好き。選手になる前から競輪場に通い、声援を送っていた。そんな桑名の憧れは同県の大スター・平原康多。「12月の佐世保記念で初めて開催が一緒だったんです。しかも、同部屋で。もう最高でした」と桑名は興奮気味に振り返った。そんな憧れが桑名の原動力になっている。

 お宝もゲットした。佐世保記念は、平原が10年履き続けた赤パンに別れを告げる開催。そこで桑名は関東の総大将からウエアを譲り受けた。「〝これ、最後だから〟って。6番車しかないって言われたんですけど、22年のGPは6番車で走られていたのでうれしかった。2万円くらいかけて額縁を買って、家に飾ってあります」と26歳は喜ぶ。

 ただ、レースは喜べなかった。二次予選、坂井洋―平原―桑名。GⅠ級のラインの3番手を固めた。「うわぁ、赤パンだ」と周回から興奮。しかし、それは刹那(せつな)だった。勝負どころで桑名は離れた。「一瞬。一瞬で赤パンが前からいなくなりました…」。昨年後期に初めてS級に上がったが、目指す超一流との差を突きつけられた。

 今はそれが奮起材料。「以前は3番手で離れても仕方ないくらいに思う時もあったけど、これじゃ駄目だって」と気持ちを入れ直した。1月からは半年ぶりのA級。S級での経験と悔しさを経て、余裕たっぷりのレースを展開。ここまで3場所走り、優勝こそないが全て決勝入りと違いを見せている。

 「今期はまずS級を取って1年間S級にい続けること。そしてまた平原さんと連係できるようにしたい」。悔しければ額縁に飾るウエアを見る。大谷翔平に言われたって、憧れるのをやめることはない。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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