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【記者コラム】新S班・岩本 今年は間違いなくやる‼

 先日の伊東ウィナーズカップ、決勝の特別選手紹介でひときわ声援が大きかったのが岩本俊介(40=千葉・94期、写真)だった。「何かスターになったみたいですね。選手冥利(みょうり)に尽きます」と照れ笑いする新S班。急激にファンが増えた。それも納得だ。

 S班として期待に応えている。今年はここまで20走して3着以内が15回の75%。車券に絡むという選手として一番の役割を果たしている。人気になるS班ならなおさらだ。以前は淡泊なレースもあったが今は違う。赤パン初のレースだった昨年の静岡GP後に「たくさん応援をしてもらった。最後まで諦めないと思って踏んだ」と決意に満ちた表情だった。最上位にいる責任感があふれ出る。

 ラインとしての役割も果たしている。正直、最も持ち味が出るのは自力戦だろう。ただ、目標が付く番組が増え、今年は自力戦がまだ4走しかない。それでも「今はそれが自分の役割ですから。しっかり切り替えて臨むことができています」ときっぱり。とにかく自分の立ち位置を謙虚に、大事にしている。

 今年の活躍を予感したひと言があった。昨年の後半戦、GP圏内にいた岩本には記者たちから「賞金は気にしていますか」という質問が続いた。これに対し「競輪はずっと続きますから」。これが岩本俊介という男を表していると感じた。その場、その場で考えていないからこそ、自分の役割に徹することができる。今年は間違いなく、やる。

 「男前だなあ」。伊東の準決後のインタビューで、岩本は自らの映像を見ながらつぶやいた。会見場に笑いは起きたが、誰もが心の中で〝その通り〟とうなずいた。S班として、人として愛される。まだタイトルは獲っていない。それは役割を果たし続け、そう遠くはない先に待っている。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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