防府競輪「第54回毛利賞争奪戦/スポニチ金杯争奪戦(FⅠ)」は27日、第12Rで決勝戦が行われ、最終4コーナーから狭い進路をこじ開けた桑原大志(49=山口)が差し切り勝ち。昨年4月以来、地元では2022年4月以来の優勝を飾った。

笑顔なき優勝だった。3年ぶりの地元Vを飾った桑原。喜ぶどころか、反省の弁ばかりを並べた。
「初連係の雨谷君が頑張ってくれたのに離れてしまって、本当に申し訳ない。どうにかしないと、という気持ちだけでした」
ラスト1周で先頭に躍り出た雨谷を追走できず遅れをとると、桐山のけん制のあおりを受け、落車した宮崎と自身の後輪が接触。最終バックでは5番手と絶体絶命の状況から、内で粘る雨谷と捲りを仕掛けた桐山の間に車をねじ込み、最後の力を振り絞り先頭でゴールラインを駆け抜けた。「進路の判断はあまり覚えていない。1車でもどかせて雨谷君の着を上げてあげないと、と必死でした」と無我夢中で挽回に徹したことが、好結果を呼び込んだ。
優勝しても、満足感はない。「やっぱり、ダッシュが課題。最近はいつもちぎられている。年齢とともに利かなくなってきている」と鍛錬を誓った。23日まで伊東競輪で行われていたウィナーズカップ(GⅡ)。来年、当地での開催が決まっている。地元の雄として出場するためにも、着々と白星を積み重ねていくつもりだ。
◇桑原 大志(くわはら・だいし)1976年(昭51)1月27日生まれの49歳。山口県防府市出身。97年8月に久留米でプロデビューし、同月の防府で初勝利。通算成績は2348戦321勝。主な優勝はS級S班として臨んだ長良川鵜飼カップ(18年・岐阜)。師匠は白井圭一郎(61期)。1㍍73、77㌔。血液型O。