
小田原城が見えるようになった小田原競輪場
小田原記念といえば競輪では真夏の季語。3日制の前後節時代(01年まで)から4日制(02年~)になっても8月の暑い中、小田原城を見ながら競輪場に向かったファンは多い。正面から場内に入るとデカい氷柱がそびえ立ち、ファンサービスで配布されたタオルを浸して頭を冷やした思い出のあるオールドファンは多いはずだ。
今年は1センターのスタンドの解体工事(24年10月から約1年間)を行ったことで、11月6日開幕の記念となる。08年は6月、23年は4月に開催されたが11月は初めて。ちなみに首都圏のファンにとって11月の記念は菊花賞で親しまれた花月園記念の定位置だった。
開催時期だけでなく、スタンドから見る景色も今回は違う。1センターのスタンドがなくなったことで小田原城、その奥には海(相模湾)が見える。初日11Rに出走する和田真久留は「景観が変わって不思議な感じがした。(スタンドが無くなり)海風が入るのかな?」と語った。
バンクコンディションはどう変わるのか。5日の前検日に小田原がホームバンクの川崎健次(88期)と高橋佑輔(96期)に話を聞いた。「皆が重いと言います。風がないのに重い。風の条件は同じでも先行選手がきつくなると思う」。小田原競輪場は来年4月以降にバンク改修の予定があり、来年の記念競輪は8月1~4日に予定されている。今回の小田原記念は季節と景色が違う開催になる。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)熊本県八代市出身の63歳。慶大卒。87年5月の花月園新人リーグ(59期生)で競輪記者デビュー以来、現場取材一筋38年。デビュー戦から見た選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。9車の勝負レースは5車の結束、番手捲り。


