少し前の話になるが、10月31日から11月3日の日程で行われた四日市74周年記念「泗水杯争奪戦」の総売り上げは、驚きの79億9111万8200円。今年9月に福井で開催されたGⅡ第41回共同通信社杯を上回る結果に。記念では15年5月の平塚で記録した85億9121万7700円以来では一番大きな数字だ。いったい何が良かったのか。
まず1つ目は開催日程だろう。金曜日スタートで、最終日の3日(月曜日)は文化の日で世間は3連休。GⅠの狭間で競合する大きな大会もなく、平日ながら初日から14億8037万6200円の売り上げをマーク。そして2日目は20億2999万2500円で、準決勝日の57万6900円上回る数字。この段階で売り上げ目標の58億円を大きく超える算段が付いた。
ではなぜ2日目が売れたのか。ここで2つ目の要因が出てくる。メンバーだ。本大会には真杉匠、岩本俊介、古性優作、松浦悠士、犬伏湧也のSS戦士5人がこぞって参加。加えて今年のオールスターを制した寺崎浩平と、寛仁親王牌を勝ったばかりの嘉永泰斗と、次期SS戦士が2人。さらに、GP賞金ボーダー付近の深谷知広、浅井康太までいた。初日特選は、もはやGⅠ決勝並みの顔ぶれ。そんな豪華メンバーが二次予選では確固たる軸として各レースに散らばったのだ。売れるのは当然だったか。その〝スーパー記念〟を制したのは神山拓弥。賞金は通常通りの560万円。その金額では足りないくらい価値のある優勝となった。
競輪祭も終わりグランプリメンバーが確定。今年の優勝賞金は1億4600万円。好条件さえ重なれば、記念の売り上げも80億円台を狙える時代になってきた。鬼に笑われるかもしれないが、来年は夢の1億5000万円に到達しそうだ。(岡田 光広)


