競輪界は昨年度の売り上げを20年ぶりに1兆円の大台に乗せたけど、片やボート界は2兆円市場にのし上がっている。1兆9千億円を売り上げた91年度はボート界を上回っていた。かつて競輪は公営競技の王様とまで言われた。なぜこれだけ差がついてしまったのか、JKAをはじめ関係団体はしっかり検証していく必要があるだろう。
しかも、今の競輪界はモーニングに始まり、昼間の通常開催、ナイター、さらにミッドナイトと朝から晩まで開催している現状だ。ミッドナイトを走り、そのあとモーニングに斡旋される。また、その逆もよく目にする。選手の、特に先行選手の体調管理は難しくなってくる。JKA斡旋課には配分の出し方も工夫してほしい。
さて、今記念の売り上げ目標は55億円。SS班5人が集まる豪華版だけに期待できる。それでは初日12Rの特選を占おう。腰の状態が気になる脇本だけど走る以上は人気の中心だ。スンナリ脇本が先制すれば近畿の❶❽だけど、新山が逃げ、位置取りこなす松浦が東北コンビに続く隊列が考えられる。脇本がカマシになって東口が離れるケースがある。松浦が仕掛け庸平(山田)が食い込む❶❸が必要。松浦―庸平の後位は関東勢が続く流れもあり得る。脇本不発のケースでは庸平からの❸❾、❸❹が盲点。(スポニチ本紙評論家・吉岡稔真)