平原康多(39=埼玉・87期)がゴール前で鋭く伸び切って3月の大垣以来となる通算30度目、今年3度目のGⅢ優勝を決めた。
レースは稲垣―村上―桜井―佐藤―大坪―吉田―平原―諸橋―木暮で周回を重ねる。一列棒状のままで動きはない。打鐘を迎えて吉田が仕掛ける前に3番手から桜井―佐藤が稲川―村上を叩きに行くが、稲川は突っ張って桜井を出させない。そのまま一気に稲川が踏み上げて主導権を握る。稲川―村上―佐藤が前団。最終ホームで満を持して吉田が仕掛けるが、稲川のカカリが良く、番手を回る村上の横まで行くのが精いっぱい。ゴール前で中割りを狙った佐藤は村上と接触して落車するアクシデント。諸橋、大坪も乗り上げて落車。外に持ち出した平原が1着。外を伸びた木暮が2着。逃げた稲川が3着に粘り込んだ。
平原は「前が踏み合いになっていたし、あの展開で吉田君が出切れないとは思いもしなかった。どのあたりから仕掛けていけばいいか迷ったが、人気に応えられて良かった」と冷静に振り返った。次に控えるのは競輪界最高峰GⅠの日本選手権(ダービー)。「脚の感じは悪くないと思う。この優勝が次につながれば。次も頑張りたい」と来る大一番をしっかりと見据えていた。
1着の平原、2着の木暮、3着の稲川はいわき平で行われるGⅠ・日本選手権競輪(5月3~8日)に向かう。
◇平原 康多(ひらはら・こうた)1982年(昭57)6月11日生まれ、埼玉県出身の39歳。87期生として2002年8月に西武園でデビュー。これが通算59回目、GⅢは3月の大垣記念以来、30回目のV。武雄記念は初制覇。1㍍84、95㌔、血液型A。
◆次走斡旋 優勝した平原康多、2着の木暮安由、3着の稲川翔の3人はGⅠ日本選手権(5月3~8日、いわき平)に出走する。