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【競輪選手養成所卒業記念レース】神山新所長「競輪」で引っ張る選手を

 日本競輪選手養成所の第127回生(68人、1人欠場)と第128回生(20人)の卒業記念レース初日が4日、静岡競輪場で開催された。男女ともに予選2回戦までが行われ、男子は在所1位の尾野翔一(25=福岡)が連勝。女子はナショナルチーム所属で注目の酒井亜樹(23=大阪)が順当に決勝入りを果たした。5日に男子は準決勝の後に決勝、女子は決勝が行われる。また、4月から所長に就任する神山雄一郎新所長が滝澤正光所長と会見を行い、所信表明を行った。

 レジェンドが新たな道を進む。昨年12月に引退した神山雄一郎氏が4月から日本競輪選手養成所の所長に就任するにあたり会見を行った。やや緊張した面持ちで「滝澤所長の後を継いでしっかりと頑張っていきたい。候補生たちはキラキラしていて感銘を受けた。一緒になって頑張っていきたい」と隣に座った滝澤所長とがっちり握手した。

 どのような選手を育てていきたいのか。現代はスピード競輪が全盛だが、「漢字でいう競輪が全ての基本だと思っている。漢字の競輪で競輪界を引っ張っていけるような選手を育てていけたらいいなと思う。ただ、そういう選手はどういう選手か、という方が大事だと思う。しっかり車券に貢献する、諦めないでゴールまで走り抜く。ファンの方がゴールまで車券をずっと握っていられるような選手を精神的にも育てたい」と話した。公営競技の選手としてファンを喜ばせる選手を増やすと思いを込めた。

 会見中には神山氏の人間性を表す一幕も。「一つだけ言わせていただきたいことがありまして」と切り出し、「引退会見の次の日、あれだけ紙面を割いていただき、本当にお礼のしようがありません。選手冥利(みょうり)に尽きます。しっかりと全紙保存させていただいています」と報道陣に頭を下げた。選手に求められるのは強さや速さだけではない。10カ月の間に人間力も磨く。神山氏の謙虚な人間力は確実に候補生にも受け継がれるに違いない。

 ◇神山 雄一郎(かみやま・ゆういちろう)1968年(昭43)4月7日生まれ、栃木県小山市出身の56歳。作新学院高卒。88年5月プロデビュー。通算成績は2931戦909勝、2着460回。通算獲得賞金は29億3830万円。G1優勝はオールスター5回、高松宮記念杯2回、全日本選抜1回、競輪祭4回、寛仁親王牌3回、ダービー1回。自転車競技では96年のアトランタ五輪、00年のシドニー五輪に出場。1㍍80、87㌔。血液型B。

 ○…3月で定年となり所長を退任する滝澤正光氏は所長(就任当時は校長)を務めた15年間を振り返り「ファン、関係者と数多くの皆さまのおかげさまを持ちまして、選手育成という大切な仕事に心血を注いでまい進することができました。今後は(養成所)アドバイザーとして神山新所長がつくり上げていく養成所の力になりたいと思います」とあいさつ。所長として印象に残っていることとして「自分が関わってきた候補生が活躍してくれているのは大変思い出深い。T(滝澤)教場をつくって最初に三谷竜生選手が特別競輪を勝った時は我がことのようにうれしかった」と感慨深げに話した。

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