JKAは先月、24年後期(7~12月)の適用級班を発表。以前は審査成績の評価点が公表され、級班のボーダーを知ることができたが昨年から人数のみに。そこで今回は級班決定の分かれ目をチェック。〝明暗〟を調べてみた。
S級1班のボーダーは中村浩士(千葉・79期)の103・30。S1在籍は選手にとってステータス。千葉支部の支部長が勝負強さを発揮した。わずか0・03及ばず2班だったのが野口裕史(同・111期)。千葉同士で紙一重の争いだった。
次はS級→A級の降級について。97・33の松田治之(大阪・73期)が徳俵に足をかけてA級陥落を免れた格好。一方で同郷の中沢央治(同・59期)が97・32で涙をのむ結果に。浪速のベテラン両者は「0・01」の差で明暗がくっきり。何ともシビアな世界だ。
S級昇級を懸けた争いは90・95の山崎泰己(岡山・101期)がギリギリで昇級となった。今期A級2班からステップアップを果たし、デビュー13年目にしてうれしい初S級だ。
半年間に及ぶ戦いの着順一つ一つが積み重なり級班の決定に結びつく。着を決める際の「微差」や「タイヤ差」は車券を買うファンは言わずもがな、選手にとっても明と暗が交錯する。今期も折り返し地点を過ぎたが、一つでも上の着を目指す全力疾走を期待したい。
◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の40歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。期末の勝負駆けに人間ドラマがあり、競輪の醍醐味(だいごみ)の一つだと感じている。