競輪の〝経済成長〟が止まらない。4月1日、24年度の売り上げが1兆3282億4400万6800円(千葉250を含む)と発表された。これは前年度比111.7%の大幅増だ。
では〝レース単価〟はどうか。昨年度に成立したレース数は2万8869(千葉250を含む)。売り上げをこれで割ると、レース単価は4600万9353円となった。前年23年度は売上1兆1892億4817万7600円に対しレース数は2万8391。レース単価は4188万8210円となり、単価も約400万円増加していることが分かった。ちなみにボートレースは昨年度5万5362レースを実施し、売上2兆5227万8258万2100円、レース単価は4556万8848円となる。車立ての差もあるが、レース単価は競輪が上回っているのだ。
また、1レース当たり1選手に賭けられている金額は? 昨年度9車立てのレース数が2545、7車立て2万5172、6車立ての千葉250が1152(欠車は含まない)。延べ出走選手数は20万6021となり、売り上げをこれで割ると1レース当たり1選手に賭けられている金額は約644万7129円となる。欠車を換算していないため、実際はさらに高い。23年度も同じように計算すると、586万4230円となる。選手がファンから背負う金額も60万円ほどアップしている。ちなみに「KEIRINグランプリ2024」は64億3148万7100円を売り上げた。単純に9で割ると、S班1人当たり7億1460万9678円を背負ったことになる。
売り上げに比例するように本年度も賞金が全体的に6%アップした。レースという〝商品〟の単価も、売り上げも増加。そして賃金とも言える賞金も上がり、最高のスパイラルに入った。この〝高度経済成長〟はまだまだ続くだろう。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪一本に。