静岡ミッドナイト開催で行われたケイリンアドバンス(4月12日決勝)を取材した。今年で2年目を迎えた国際ルールに則ったレースで、「ヨコ」の動きが制限される。昨年に続いて参加した選手も何人かいたが、ほとんどが今年初挑戦だった。S級アドバンスには山口拳矢、渡辺雅也、神山拓弥、東矢圭吾と4人のS1選手が参戦。全員が決勝に進出したのはさすがだった。
優勝したのは山口。持ち前の鋭いダッシュを武器に完全Vを飾った。前検日には「アドバンスは初めて。練習みたいな感覚。それよりミッドナイトの方が心配。何時にアップしたらいいか分からないし、レース間隔も短いので」と不安を口にしていた。
フタを開ければ、初日予選を難なく制した。終始2~3番手の好位をキープして、最後は自力で捲って格上の動きを披露。「残り1周から仕掛けた。想定通り。心配していたミッドもしっかり調整できた」と対応力の高さを示した。アドバンス向きと思ったタイプは、地脚型よりもダッシュ型。山口をはじめ、決勝2着の渡辺雅也もそのタイプだった。
ここからは普段の開催では聞かれない、選手たちの印象に残ったコメントをお伝えする。「最後まで脚をためた人に有利ですね」「普段のレースより仕掛けどころが変わると思う。遅くなるでしょうね」「前々にいないと話にならないですね」「ピスト6に近いのかな」と言った話も聞かれた。
レース作戦も普段は聞かないものが並んだ。「取れた位置から」といったガールズでよく聞くコメントや、「頑張るとしか言えない」といったものもあった。取材をしていて、普段の競輪と違いを感じるところもあった開催だった。
◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年(昭42)生まれ、愛知県出身の58歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。


