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【記者コラム】ミッドナイトグレードレースで本当のファンづくりを

 夜中にS班が走る日も近い!?24日に産業構造審議会、製造産業分科会、車両競技小委員会が行われた。経済産業省による審議会で、簡単に言えば競輪の現状と課題を確認し、今後の方針を示す会である。今回はその中で〝競輪が盛り上がるチャンス!〟と感じた具体策を取り上げたい。

 22年度は20年ぶりに年度売り上げ1兆円達成。それを受け目標として「25年度売り上げ1兆2500億円」が設定された。その達成に向け2つの軸で取り組むという。

 ❶「顧客ニーズを捉えた商品ラインアップ」。

 ❷「ガールズケイリンのリブランディングへの取り組み」。

 目を引いたのが❶の具体策で「ミッドナイトのグレードレース」の検討。個人的に、これはやる価値が大アリだと思う。なぜなら、短期的な売り上げはもちろん、長期的な売り上げにつながると思うから。爆発的に売れているミッドナイトでレベルの高いレースを提供する。試験的だったS級ミッドは売れた。頼みの民間ポータルサイトも車券が売れるキャンペーンを打ち出してくる。間違いなく売れ、短期的に結果は出る。

 「本当のファンを増やすこと」。長期的に見ればこれが必要で、むしろこちらの方が大事。ネットで車券を買う若者はまだブーム的なファンで、他の娯楽が面白ければ、すぐに離れていくだろう。「本当のファン」にするには、レベルの高いレースに触れ、面白さを知り、競輪場に脚を運んでもらう必要がある(A級戦を軽視しているわけではない)。ミッドナイトのグレードレースは、その導線になり得る。本来なら競輪場に来るのが先。ただ、今はネット→競輪場の流れがあっていい。

 〝競輪って面白いじゃん〟。ミッドナイトグレードレースは、もっと競輪を好きになってもらえる可能性を秘める。もちろん、初の試みで失敗も課題もあるのは間違いない。ただ、売り上げはもちろん、本当のファンづくりのためにトライ&エラーは必要。深夜のグレード戦の実現を、今から楽しみにしたい。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の27歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。絶賛ミッドナイト取材を転戦中。

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