
この春から競輪を担当している原口公博です。コラムタイトル「バンクSAGA」から推察できる通り佐賀出身。故郷では懐かしいRPGとコラボした「ロマンシング佐賀」なる企画が以前にあった。SAGAには壮大な物語という意味がある。バンクで泣き、笑う選手たちの背景や物語を伝えられるよう努めたい。
話題は私のようなオールドルーキーではなく、若い129期(男子)と130期(女子)から。ルーキーが今月いよいよ本格デビュー。130期の在所成績2位で卒業記念レースを制した川上いちご(27=千葉、写真)は注目度が高い。日本競輪選手養成所ではエリート育成部門、ハイパフォーマンスディビジョン(HPD)教場に選抜され、着実に力をつけた。5月のルーキーシリーズは、2場所目の宇都宮、続く平塚を完全優勝。評判通りの強さだった。
師匠の浦部郁里(39=千葉、102期)によると、川上は最先端のトレーニングなどHPDで学んだことを生かし自身で練習メニューを組む。浦部は「彼女が強すぎるから一緒に、もがいたりしない。私はコーチ、現場監督みたいな感じ」と説明。走った映像を一緒に確認しながら車間の切り方や仕掛けのタイミングなど助言するという。本格デビューへ「本人がしっかりしたタイプで心配はしていないけど。5年、10年とやっている人と一緒に走るから挑戦者のつもりで頑張ってほしい」と優しいまなざしを向ける。
129期の中村嶺央(21=千葉)はルーキーシリーズ初戦の松山で完全優勝、続く宇都宮、平塚はともに決勝2着。師匠で父の中村浩士(48=千葉、79期)は「ナショナルチームの選手ではなく、競輪選手なので。勝負師として〝競輪〟で見せ場をつくれるようになってほしい」と期待する。新人たちの奮闘にも注目したい。


