今年もやります。昨年末の当コラムで掲載した競輪のマニアックな最多記録を勝手に表彰するコーナー。ちょっと早いが佐世保記念が終了した17日時点で集計してみた。
☆タフネスで賞 年間最多出走回数の1位に輝いたのは岡崎克政(38=岡山・92期)。「132走」しており、現在出走中の久留米FⅡと、出場予定の向日町FⅡを完走すると138走に達する。これは昨年、131走した太刀川一成(43=千葉・100期)を上回り、09年以降で最多の年間出走回数だ。岡崎はチャレンジクラスで信頼できる先行職人。マイペースで逃げ切るのが抜群にうまく、先行1車の展開で取りこぼしたのをあまり見たことがない。今年は病気やケガによる欠場もなく、補充や追加でガンガン走ってくれた。タフネス先行に感服だ。
☆バックマニアで賞 最終B回数は昨年に続いて野口裕史(40=千葉・111期)がトップ。115走して「75回」とバック奪取率は6割超え。猛者ぞろいのS級でこの数字をマークしたことを称賛したい。ガールズも昨年同様に奥井迪(42=東京・106期)が「65回」で堂々の1位だった。先行は競輪の華。来年はアラフォー2人に負けない若手レーサーたちの奮起を期待したい。
☆マーク巧者で賞 男女合わせてトップは那須萌美(33=宮崎・114期)の「27回」。那須は女子初のGⅠ開催となった岸和田「パールC」で決勝進出と飛躍の1年だった。マークは基本的に2着の決まり手だが、1着回数は昨年の13から18へとアップしており、流れ込むだけでなく勝ち負けまで持ち込めるようになったのが成績上昇の要因。ガールズ指折りのマーク屋として、確固たる地位を築いてほしい。
十人十色の競輪選手がつくり出す記録と記憶。今年も競輪は面白かった。
◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の40歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。今年一番記憶に残るレースは2月奈良記念準決勝で金網付近まで飛ばされながらも9番手から大捲りを放った新田祐大の一発。