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【記者コラム】共同杯の自動番組は買いづらい

 18日決勝の「共同通信社杯」は深谷知広(33=静岡)の優勝で幕を閉じた。

 共同杯は一次予選と二次予選が自動番組で行われる。今年の共同杯はSSの平原康多と郡司浩平が一次予選で脱落、新田祐大と守沢太志が二次予選で脱落した。準決勝に進出したSSは新山響平と佐藤慎太郎の2人(古性優作は二次予選2着も家事都合で欠場)。

 これは選考順位の上位選手に番組概定(勝ち上がり)のアドバンテージがないのが一因。他のビッグレースであれば選考順位の上位選手は初戦が特別選抜予選にシードされ、初戦で失敗しても二次予選の権利は確保している。しかし選考順位が1位でもオール一次予選の自動番組なら初戦敗退がある。競輪はライン戦である以上、どんなに強い選手でも他地区が4~5人で結束する番組になると、苦戦するのはレースを見れば明らかだ。

 共同杯が自動番組制度に変更されたのは共同杯が「春一番」と「秋本番」の年2回の開催になった09年4月の佐世保大会から。当初は準決勝まで自動番組で行われた。しかし10年4月の小松島大会は準決勝3レースの強弱が偏った。当時はSSが18人在籍したが10Rと11RがSS2人に対して12RはSSが6人だった。この案件を踏まえて12年4月の名古屋大会から準決勝は番組課の編成になった。

 自動番組を継続するなら選考順位の上位選手にアドバンテージを付与する概定(勝ち上がり)にすべき。例えば上位27人は一次予選A、36位以下が一次予選B。これなら一次予選Aで敗れても二次予選Bに回り準決勝進出を目指せる。

 今大会の売り上げが目標額を下回ったことは自動番組による〝買いづらさ〟も一因。競輪界は〝軸をはっきりさせて買いやすい〟ようにと5年前から記念競輪の初日概定を特選3レースを1レースにして一次予選を11レースにした。ミッドナイトナイトの競走得点順の車番も〝買いやすさ〟につながる。14年前に取り入れた自動番組はこの方針と一致していない。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の61歳。慶大卒。87年4月入社、同5月の花月園新人リーグ(59期生)で記者デビュー。怪物・滝澤正光の先行、鬼脚・井上茂徳の追込みに即、魅了された。以来、現場取材一筋37年。

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