第125回生と第126回生の卒業記念レースが5、6日に伊東競輪場で行われた。卒業記念レースが有観客で行われるのは19年以来、5年ぶり。伊東競輪場のスタンドには候補生の師匠、家族らの声援が飛び、5年ぶりに活気ある卒業記念レースとなった。
そして記者として、尊敬する滝澤正光所長のお話が聞けたし、元選手で今は養成所の教官を務める大川真護さん(静岡)、山口雅弘さん(北海道)らの元気な姿を見られたのは良かった。
卒業記念レースの多くは静岡県伊豆市の競輪選手養成所(旧競輪学校)で行われてきたが、57期(86年)は川崎、69期(92年)は前橋ドーム、99期(10年)は伊東で行われた。そして101、102(ガールズ1期生)回生の松戸からは川崎、平塚、静岡、伊東の競輪場でファンも観戦しやすい場所で開催されている。
卒業記念レースは一度限りの舞台。もちろん〝デビューしてからが勝負〟だが勝負運は選手として大事な要素。過去の卒業チャンプの顔触れからも分かる。57~66期の5年間(当時は1年に2期が卒業)は卒業チャンプの10人中、何と6人がタイトルホルダーに輝いた。坂本勉(57期=青森)、小橋正義(59期=岡山)、神山雄一郎(61期=栃木)、内林久徳(62期=滋賀)、三宅伸(64期=岡山)、児玉広志(66期=香川)。ビッグネームが連なる。
その後の67~84期(91~99年)は小嶋敬二(74期=石川)のみだが、85~88期は卒業チャンプの4人中、3人がタイトルホルダーの仲間入りを果たした。中川誠一郎(85期=熊本)、井上昌己(86期=長崎)、成田和也(88期=福島)。
そして直近では新山響平(107期=青森)が記憶に新しい。今回の男子優勝者の森田一郎(23=埼玉)は予選1回戦から競輪センスが光った。将来のタイトル獲得が楽しみな一人だ。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の61歳。慶大卒。87年4月入社、同5月の花月園新人リーグ(59期生)で競輪記者デビュー。怪物・滝澤正光の先行、鬼脚・井上茂徳の追い込みに即、魅了された。以来、現場取材一筋37年。