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【記者コラム】後半戦が楽しみな取手記念組

 前期最後の記念(取手)は最高におもしろかった。後期に向けても見どころしかなかった。もちろん、優勝した吉田拓矢は素晴らしかった。地元エースとしてプレッシャーをはねのけ結果を出す。並大抵ではない。しかも、あの失格を乗り越えて関東の絆で勝った、というのも今後につながるだろう。ただ、〝敗れて強し〟がいたからこそおもしろかった。

 まず、輪界最強の脇本雄太。決勝こそ関東作戦に敗れたが、準決は10秒7のバンクレコードタイで捲った。思わず〝つえぇ〟と言ってしまう脇本らしい強さが戻ってきている。本人も決勝翌日に自身のYouTubeチャンネルで「踏めている感じはあった。絶好調とはいかないにしても、オールスターにいい感じで臨めれば」と手応えを口にした。やっぱり脇本が強くないと盛り上がらない。ケガで低迷していたが、後期はゾクッとする最強の走りが見られるはず。

 S班・山口拳矢も沸かせた。二次予選、準決と持ち前のスピードある捲りを披露。体調、自転車とマッチしていた。そして決勝、かなり悩んだ末に、脇本の番手を選択。初めて中部以外に付くことに「前からつきたかった。脇本さんだから付くので、今後近畿の人につくというわけではない」と説明。結果は脇本不発で好連係とはいかなかったが、「これを自力で倒さないといけない」。肌で最強を感じたことが山口の分岐点となったに違いない。

 もう1人挙げたいのが守沢太志。決勝の最終バック、あのスピード域で内をしゃくれる追い込みが輪界に何人いるのか…。完全に復調している。自身も「今年1番の出来、これをキープできれば」と強調。S班時代にあと1歩届かなかったタイトル。後期はそのチャンスが必ず来るだろう。

 GⅠ3つ、GⅡ2つの後半戦。間違いなく取手記念組が大暴れするだろう。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。取手記念決勝は吉田、吉沢の車単❶❽で大勝負するも…。

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