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【記者コラム】試行錯誤が実った123期・松本

 競輪は今月から期変わり。24年後期が始まった。期始めは新たなクラスに昇格した選手、逆に降格した選手たちの能力の比較が難しい。5月にルーキーシリーズでデビューした125期生の新人たちは、今月からA級チャレンジ戦に参戦している。いきなり頭角を現す選手もいれば、レース慣れするまで時間が掛かる選手も結構いる。そういった状況の中、私が気になるのは1期前の選手たち。123期生の動向だ。

 松本京太(25=静岡)は3月に川崎、岐阜、立川で3場所連続完全優勝を飾り、特別昇班でA級2班に上がった。前を取っての突っ張り先行を武器に、上のクラスでも活躍が期待された。4月に昇班後6場所を走って思ったような結果が残せていなかったが、期変わり初戦の京王閣で1、2班初の決勝進出を決めた。壁を乗り越えた松本は「チャレンジではペース駆けができたんですが、1、2班では後ろが楽に感じていると思う。流れがつかめていなかった」と分析。

 6月末にギア倍数を3・85から3・92に変えたり、自転車のセッティングをいじったり試行錯誤した日々が実った。初日はホームからカマして2着。「1、2班でカマしたのは初めて。チャレンジ含めても3、4回くらいしかないです。意外と前に出られて自信を持てました」と笑顔を見せた。2日目は6番手から捲って勝利。「打鐘、ホーム、バック、スタートと何もつかずに勝ったのは珍しいですね。たまにはいいのかな」と喜んだ。そして決勝は打鐘から逃げて3着。ひと回り成長した姿を見せた。

 「イメージでは南関なら深谷知広さんや松井宏佑さんのようなタイプになりたいです」と目標を語った松本。今後も注目していきたい選手の一人だ。

 ◇松本 京太(まつもと・きょうた)1998年(平10)11月7日生まれ、静岡県出身の25歳。23年5月、123期生としてデビュー。16年国体1000㍍タイムトライアル2位。師匠は岡村潤。1㍍75、89㌔。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年(昭42)生まれ、愛知県出身の56歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。今年4月に26年ぶりに現場復帰。競輪以外に中央競馬、地方競馬、ボートレース、オートレース、ゴルフ担当を経験。

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