車券を買い続けて40年。〝審議の結果…〟後の喜怒は数え切れない。しかし審判が出した判定は決定だ。
現行のビッグレース(GⅡ以上)は「審判長団」が審判する。以前は各競輪場の審判委員が判定していたが、各競輪場の微妙な差をなくすため約10年前から〝審判の統一〟を目的として「審判長団」が結成された。同一審判が判定することで微妙な差が解消されたことは確か。ただしファン全員が納得する判定は無理。
私も判定に関して〝◯◯レースの失格(セーフ)どう思う?〟はよく聞かれる。30年前までは会社の電話番も多かったし、熱心なファンの話に長い時間を費やした。まさに現行の〝お客様係〟。私も車券を買ってるしファンの気持ちは分かる。しかし自分の見解を述べることはしなかった。
〝お客様係〟に多い電話は判定、そして番手選手が車間を空けて前の先行選手を差し損じたレース。先行選手Aに追い込み選手B、そして追い込み選手Cが続いてABCライン。車券は番手Bの頭で車単BCが1番人気、車単BAが2番人気のレースとする。Aが先行、Bは車間を空けてAを援護する。これは競輪。しかしBがAを差し損なう。
ファンはBの力量と展開を推理してBの頭を1番人気に支持している。車間を空けた走りはファンには〝余裕がある走り〟に映る。ファンは車券のプロであり、Bの走りに失望するし次のレースの売り上げにも響く。以前はファンの怒号が凄かったし翌日以降欠場になる競輪場もあった。
この差し損じのレースを減少させるには選手がオッズを見るべきだ。オッズを見ることによりファンの期待が分かる。レース直後に〝人気に応えることができて良かった〟と振り返る選手に差し損じはない。「ファンのために頑張る」と語る以上はオッズを見て自分の人気を認識するべきだ。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)熊本県八代市出身の63歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月の花月園新人リーグ(坂本英一ら59期生)で競輪記者デビュー以来、現場取材一筋39年。デビューから見た選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。


