進化する競輪。昨年6月のルール改正から着実に変貌を遂げている。選手もレースに対応しようとつねに進化を続けている。鈴木竜士もそのひとりだ。ルール改正直後は試行錯誤の時期もあったが、昨年11月から覚醒。位置取り重視の意識が強くなり、ヨコの動きも多用。鋭いカマシ捲りも健在だ。11月から6優出1V(記念2優出)と目覚ましい活躍をみせ安定感も備わってきた。しかし、まだまだ満足はできていない。「決勝に乗れてはいるけど、勝率を落としているのはダメ。確定板に絡めているだけではダメ。今は上のクラスで戦うために何でもやるようにしている」。つねに高みを目指していて、あくなき姿勢でさらなる進化も。戦法の幅を増した次世代のエースが縦横無尽の走りで競輪界を席巻だ。
一方、女子では小林莉子に注目。初代グランプリ覇者で、ガールズケイリン創世から第一線で引っ張ってきた実力者だ。近年はビッグ戦線であと一歩が届かない印象も今年はここまで3Vと軽快なスタートを切っている。「今年は自力を出していくことがテーマ。これを続けていくことで、グランプリに乗れればいいですね。逃げの決まり手も付けていきたい。そうなれば上位陣と戦う時に『何をするんだろう?』って思われることもあるだろうし、そうなりたい」。女王に返り咲くべく確かな意識改革を果たしている。昨年までの位置取り重視のスタイルに加えて、迷わず仕掛ける〝姿勢と脚力〟も備わって強さに厚みを増している。タテ脚に磨きをかけている今年の小林はひと味違う。ビッグ戦線でも台風の目になってV争いを演じる。(栗林幸太郎)
【記者コラム】進化遂げている超戦士
2020/3/18