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【記者コラム】重圧はねのけ特昇果たした石田

 6月3日に行われた京王閣ミッドナイトのA級チャレンジ決勝で、石田典大(26=東京・123期、写真)が捲って優勝した。この勝利で9連勝。久留米、小倉に続き3場所連続完全優勝を飾り、翌4日付でA級2班への特別昇班を果たした。ちょうどこの開催に取材に行っていたので、前検日からの石田の言動をお伝えしたい。

 前検日は参加49選手中、一番最後に競輪場に姿を見せた。関係者から「さすが今回の主役だけあって、トリに登場だね」と冷やかされていた。既に来期(7月)からA2に上がることが決まっているだけに、本人は「上がれるなら上がりたい。今回は同期を含め自力型が多いので厳しいとは思いますが、ビビらず挑みたいです」と気負った様子は見られなかった。

 初日はホームからカマシて逃げ切り。ただスタートでSを取れず、初手の位置が5番手になったことに「1番車でSが取れないのは良くない。それでいろいろと崩れて…。失敗でした」と反省していた。2日目はバック5番手からの捲り追い込み。¾車輪の辛勝だった。「作戦は3角からでしたが、打鐘で緩んだ時に仕掛ければ良かった。自分らしくないレースでした。弱気で情けない」と吐露。プレッシャーを感じていることを感じさせた。ただ「これで飛んだらメンツも立たない。何とかつないだのは良かった。あと一つ。意地でも獲るつもりで頑張りたい」と大一番を見据えていた。

 決勝の初手は3番手。同期の石川航大が外から追い上げ内で包まれる形になったが、最終1角で石川を張って下げさせると捲り発進。2日間の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような5車身差の圧勝劇だった。(鈴木 智憲)

 ◇石田 典大(いしだ・てんだい)1997年12月4日生まれ、東京都出身の26歳。23年4月、123期生としてデビュー。全日本学生パワーリフティング選手権大会83㌔級3位。師匠は中村由香里。1㍍69、81㌔。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ、愛知県出身の56歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。今年4月に26年ぶりに現場復帰。競輪以外に中央競馬、地方競馬、ボートレース、オートレース、ゴルフ担当を経験。

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