先日、10月から来年3月までの開催概要が発表された。GⅡ以上のビッグレースは変わらず9車で行われるが、10月からGⅢ(記念)は12R制9車の全国あっせんになり、FⅠ、FⅡは12R制の7車になる。FⅠ、FⅡではレースの流れが予想しやすい7車で、GⅢ以上のビッグレースでは競輪ならではの駆け引きがあり、高配当が出やすい9車と、レースのグレードによって違いをつけることになった。レース数を12にそろえたことで新たなファンにもわかりやすいものになる。
7月から7車になったことで、成績を伸ばす選手と、苦戦する選手の差が出てきた。西日本地区で活躍する選手の筆頭といえば北津留翼=写真=だろう。とくに8月広島FⅠでの完全Vは圧巻だった。開始当初から「7車は自分に向いていると思う」と話していた。その言葉通り持ち味のスピードを思う存分に発揮。9車と違い、内に詰まるケースがなく、最悪でも6番手がある。外を踏むことだけに集中できるのは大きい。北津留と競走スタイルが似ている大西祐も7車になって成績は急上昇した。予想されていた通り、自転車競技の走りに近く、スピードの絶対値の高い選手が7車をドル箱としている。
対してマーク選手は苦戦が続いている。ある選手は「道中で緩むことがなく、抜くタイミングが以前とは違って差し切れないことが多い」と話す。とくに松戸記念の決勝戦のメンバーは7人中6人が自力選手と、マーク選手の苦戦を象徴するシリーズだった。
来年3月までグレードレース以外は7車が続くことになり、さらに得意、不得意の差は大きくなっていくだろう。7車が得意な選手はもちろん、素早く適応した選手を見つけることが、好配ゲットのカギになる。(緒方 泰士)
【記者コラム】7車が得意な選手を探せ
2020/8/26