小倉競輪祭は脇本雄太が優勝。2着が犬伏湧也、3着が松浦悠士の決着により「グランプリ2024」の9選手が決まった。
今年のGP戦線を振り返る。2月の全日本選抜を郡司浩平、5月の日本選手権を平原康多が優勝、実力者2人が早々にSS返り咲きを決めた。
日本選手権で2着の岩本俊介はGⅠ最高の2着賞金(4080万円)のアドバンテージを守り、9番目でGP権利を獲得した。小倉競輪祭の前検日に語った「この立場(GP争いのボーダーライン)で競輪祭を走れることが貴重な経験」の謙虚な気持ちがGP初出場を現実にした。
6月の高松宮記念杯は郡司の逃げに乗った北井佑季がGⅠ初タイトル。全日本選抜は北井―郡司の並びで郡司が優勝だったことで高松宮記念杯は郡司―北井の並び。このチャンスを一発ツモした北井は〝勝負強さ〟を持っている。もちろん猛練習の裏付けがある。
8月のオールスター、10月の寛仁親王牌は現王者の古性優作が連覇。時代を築いてきた過去のトップスターにはない〝古性スタイル〟を確立させた。
真杉匠は7月のGⅡサマーナイトFと9月のGⅡ共同通信社杯を優勝。昨年までは先行選手のイメージだった真杉が今年は〝ヨコも強い〟を印象づけた。清水裕友は前半戦の好成績、新山響平は年間を通した走りでGP切符を獲得。中でも新山は昨年から先行を貫き通す走りにブレがない。
今年のベストナインが一発勝負で1億4000万円(副賞含む)を争う舞台は3年ぶり3回目のGP開催となる静岡競輪場。グランプリは85年に始まり、今年は第40回(89年は中止)になる。ちなみに85年のGP優勝賞金は1000万円、ダービーは1950万円。
古性が年間獲得賞金の記録を更新するか、平原が14回目の挑戦で悲願達成か。競輪ファンは、この話をするのも年末の楽しみの1つだ。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)熊本県八代市出身の62歳。慶大卒。87年5月の花月園新人リーグで競輪記者デビュー。以来、現場取材一筋38年。9車の勝負レースは5車の結束、番手捲り。好物は賭け事。ナンバーズ4、ロト6、7は買い続けている