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パリ五輪「自転車競技トラック」6日からスタート 太田海也&佐藤水菜 金メダル獲得へ

 踏め!踏め!ニッポン!!国の誇りを懸けた熱戦が繰り広げられているパリ五輪。いよいよ日本時間6日から、自転車競技トラック種目も開始される。堂々の金メダル候補・太田海也(25)と佐藤水菜(25)の男女短距離エースを中心に、メダルラッシュが期待される日の丸戦士を紹介する。

 競技歴はまだ3年。それでいて五輪の切符をつかんだ、太田海也という怪物が現れた。高校時代に日本の頂点に立ったローイング(旧ボート競技)を大学で断念。アルバイト先で偶然の出合いから自転車へまたがる。すると、あっという間に才能が開花。早期卒業生として22年に競輪選手デビューを果たすと、わずか1年で最高峰の舞台GⅠに出場。昨年末には若手世代№1を決めるヤンググランプリを圧勝した。伸びしろしかなく、とんでもない成長曲線をたどっている。

 筋骨隆々の肉体から繰り出されるスピード&パワーは世界も驚がく。今年のネーションズカップ第1戦(豪)でスプリント金、チームスプリント銀、ケイリン銅と出場種目全てで表彰台入り。続く香港での第2戦ではスプリント、ケイリンの2冠とチームスプリントで銀メダル。3冠まであと一歩の圧巻のパフォーマンスを披露した。今や世界の中心に堂々とカイヤ・オオタがいる。

 日本にとって長年の夢である自転車競技トラック種目の金メダル。「自分の力を出し切り、メダル獲得を目指す。五輪は先輩たちが世界で戦える証明を何年もし続けてくれた結果、僕たちは世界で勝ちにいくことがスタート地点」と太田海の決意は固い。ケイリン発祥国としてのプライドも胸に。スプリント、ケイリン、チームスプリント、日本の怪物なら一気に3つの夢をかなえてもおかしくない。

 ◇太田 海也(おおた・かいや)1999年(平11)7月27日生まれ、岡山市出身の25歳。県立備前緑陽高卒。121期を早期卒業し22年1月プロデビュー。競輪の通算成績は66戦45勝。1㍍74、78㌔。血液型O。


 速い、とにかく速い。普段は天真らん漫な〝サトミナ〟こと佐藤水菜。ただ、自転車にまたがれば誰よりも速い。18年に競輪選手としてデビュー。デビュー半年で5度の優勝を飾り、ビッグレースにも出場し潜在能力を示した。20年にナショナルチームに所属すると、さらにスピードに磨きがかかる。そこからガールズケイリンで連戦連勝。昨年末には圧倒的な脚力でガールズグランプリを制し、国内をあっさり統一した。

 200mFTT10秒479。歴代日本人女子で一番速いサトミナは世界でも主役を張っている。21年に初出場だった世界選手権、ケイリンで女子短距離種目において日本勢初となる銀メダルを獲得。そこから一気に名をはせる。22年世界選手権で2年連続ケイリン銀メダル。昨年はネーションズカップで第1、2戦とケイリンで金メダルを獲得した。今年もネーションズカップ第1戦でケイリン金メダル、スプリントで銀メダル。驚異的な成績を残している

 ガールズケイリン創設12年。33人から始まった物語は確実に進化してきた。そして今、サトミナが軌跡の結晶として世界の頂点に手を掛けている。「メダルを持ってガールズケイリンに帰ってきたい」と宣言。物怖じしない強心臓なら初の大舞台にも不安はない。もうすぐ首から提げられた黄金のメダルに、サトミナスマイルが映される時が来る。

 ◇佐藤 水菜(さとう・みな)1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の25歳。県立茅ケ崎高卒。18年7月にプロデビュー。ガールズケイリンの通算成績は276戦196勝。1㍍63、59㌔。血液型A。


 太田海、佐藤だけではない!今回の日本代表は精鋭揃いだ。まずは中野慎詞(25)。太田海と同じく22年に早期卒業生として競輪選手となったポテンシャルの持ち主。23年のネーションズカップのケイリンでは金メダルを獲得し、その力が世界に通用することは証明済み。同期同学年の太田海とともに、初の五輪で日本のケイリン魂を見せる。

 21年のヤンググランプリ覇者である小原佑太(28)はスプリントとチームスプリントに出場予定。五輪は初出場だが、ナショナルチーム所属歴が長く経験値は豊富に積んでいる。チームスプリントでは勝負の第3走者として、日の丸を全身に背負いペダルを踏み込む。

 橋本英也(30)と窪木一茂(35)の中距離ゴールデンコンビも大注目。ともに実力、経験は申し分なし。チームパシュート、オムニアム、そして息のあったマディソンで念願のメダル獲得なるか

 女子は太田りゆ(29)が念願の五輪の舞台に立つ。前回、東京五輪は無念のリザーブ。その悔しさを糧に3年間鍛錬を積み、堂々と日の丸を背負う。可憐な見た目からは想像できないパワーを武器に、最高の結果を狙っていく。

 内野艶和(22)も初出場。昨年の世界選手権、ポイントレースで銅メダルを獲得と世界を舞台に結果を残している。女子中距離界の新星として、いきなり大仕事をやってくれるかもしれない。

選手写真は全て提供。Ⓒ公益財団法人JKA/Shutaro Mochizuki

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