ニュース&記者コラム

学法石川高校自転車競技部OBが競輪学校合格

〝競輪王国〟福島 盛り上げる

 福島県出身で学法石川自転車競技部OBの吉田唯斗(23)、渡辺仁(22)が日本競輪選手養成所の第131回(男子)選手候補生入所試験にこのほど合格した。

 5月12日の入所日を前に、練習拠点の泉崎国際サイクルスタジアムで意気込みを語った。(高橋 佳寿)

明大経て初挑戦で難関クリア

吉田 唯斗

中学時代は陸上

 東大合格と同じ難易度と言われる養成所合格。取材時は笑顔が印象的な明るい吉田も「もう一度受験することは考えられないくらい心身ともに追い込まれていたため、合格した時はとにかくホッとしました」と初の受験で合格を決めた。

 中学までは100㍍や200㍍を中心に陸上競技に打ち込み、県南大会優勝の実績も残したが、成績の伸び悩みを機に進路に迷い、高校進学時に父の勧めで自転車競技に転向した。「福島には強豪校が多く、全国で活躍する選手も多い。自分も挑戦したいと思った」と振り返る。

 学法石川高では主将を務め、100㌔走るなど長距離走行をし基礎となる〝地足〟を徹底的に鍛え、体力と精神力を養成。3年時の高校総体の自転車競技1㌔タイムトライアルで4位に入るなど結果を残した。

 明大でも主将を務めた。自主練習が中心の環境の中、週4、5日のトレーニングを継続。大学から始めたタンデムやチームスプリントで優勝を経験し「一人でも淡々とやり続ける力が身に付いた」と成長を実感する。

 大学3年時には成績が伸び悩む時期もあったが、自身を客観視し練習量を増加したことで状態は上向いた。「練習に取り組む集中力。一人でやる時に甘えず自分に勝つ」と精神面の成長が初挑戦での養成所合格につながった。

グランプリ制覇目標

 幼少期には水泳や重量挙げ、マラソンにも取り組み、体づくりの土台を築いた。現在はパラ競技タンデムのパイロットも務めるなど活動の幅を広げている。「両親の支えがあってここまで来られた。結果で恩返ししたい」と感謝を口にする。

 持ち味は瞬発力を生かしたダッシュ型の脚質。「まだ通過点。地に足を着けて努力を続けたい」と前を見据え「グランプリ出場、優勝を目指す。多くの人に愛される選手となり、福島を盛り上げたい」と力強く語った。

 ◇吉田 唯斗(よしだ・ゆいと)2003年(平15)4月9日生まれ、棚倉町出身の23歳。社川小、棚倉中、学法石川高から自転車を競技を始め、明大でも競技を続ける。1㍍74、83㌔。趣味はサウナとおいしいご飯を食べること。

規定で最後 5回目にして突破

渡部 仁

卒業後〝夢一本〟

 「とてもうれしく涙が出ました」。ラストチャンスでの合格に、渡部は安堵(あんど)の表情を見せた。5回目が規定で受験の最後。高校を卒業してから5年連続の挑戦でつかみ取った。

 競輪選手を志して学法石川高で自転車競技を始めた。基礎となる乗り込みを重視しながら「どうすれば効率よく強くなれるか」を考え続けてきた。3年時には高校総体の自転車競技のケイリンで4位に入り、素質の一端を示した。

 卒業後は大学へ進まず、競輪一本の生活を選択。街道での30~40㌔の走り込みや「きつかった」と振り返る車の後ろについて離れないようにする車誘導。トレーニング自転車「ワットバイク」を30秒全力でこいで2分休むインターバルトレーニング3セットを、週に3~5回行い鍛抜いた。

 最高速度はバンクで約75㌔に到達するダッシュ力を武器に「逃げて勝つ」スタイル確立を目指してきた。

逃げて勝てる選手へ

 それでも養成所試験は不合格が続き「途中で諦めようと思ったこともあった」という。それでも家族や仲間、先輩の支えを力に変え挑戦を継続。ラストイヤーは地元の会津若松市を離れ白河市で1人暮らしをし、移動時間を削減して練習量を確保した。「応援してくれる人のために受かりたい一心だった」と振り返る。

 同期の吉田とともに合格を果たし「心強い存在。もっと一緒に強くなりたい」と刺激を受ける。競輪の魅力については「ラインで仲間のために走るところ。チーム一丸となって戦う仕組みに魅了された」と語る。

 目標は競輪グランプリ優勝。「競輪王国の福島を盛り上げたい。会津魂を大事に、これから福島県を代表する選手になりたい」と熱い思いを見せる。不屈の努力で合格を果たした男が次の舞台へ挑む。

 ◇渡部 仁(わたなべ・じん)2003年(平15)7月16日生まれ、会津若松市出身の22歳。湊小、湊中、学法石川高から自転車を競技を始める。1㍍67、70㌔。趣味は読書と掃除。

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