GP女王が思い新たに

児玉の神化


 失いかけた闘志に再び火が付いた。勝てなかった特別レースを昨年8月ガールズドリームレース(平)で制して無冠を返上した児玉碧衣は、暮れの大一番、静岡ガールズグランプリでもV。名実ともにガールズの頂点に立った。しかし、やり遂げた先に思わぬ落とし穴が待っていた。「ガールズGPが自分の目標だったけど、優勝したら目標がなくなってしまって…。自転車に乗りたくなくなって意味のない練習を続けていた」。通常開催では変わらずV量産も心は虚無感に襲われ〝燃え尽き症候群〟のような状態に陥っていた。
  
 そんな中で迎えたのが3月大垣ガールズコレクション。そこで同門先輩の小林優香と久々に対戦。小林は東京五輪出場とメダル獲得へ向け競技に専念。ナショナルチームの練習で以前にも増してレベルアップ。児玉は力勝負に敗れ2着。「あれで〝やる気スイッチ〟が入った。(ホームから)カマシしてまくられたけど、もう少しで逃げ切れそうな感じもあった。もっとまじめに練習したら優香さんにも勝てるんじゃないかって」。新たに設定された明確な目標が、GP女王のさらなる進化を加速させる。
 
 舞台となる松戸では4月の開催で出場5回目にして初V。「重かったし、久々の33バンクでどこから仕掛けていいのかも分からなかった。緊張したけど、結果を残せたことでいいイメージを持てた」。小林優がいない今回の一戦。絶対に負けるわけにはいかない。