小田原競輪FⅠ「スポーツニッポン新聞社杯」は、26日から28日まで3日間にわたって開催される。戦歴、実力で上回るのはGⅠタイトルホルダーの稲垣裕之。昨年3月に続く当地FⅠ連続Vへ、ハイパワーでチャンスをつかみ取る。近畿連係で差し脚いい椎木尾拓哉が後ろ回りから逆転も。そのほか松岡貴久、簗田一輝、萩原孝之、杉森輝大、林巨人、白戸淳太郎、斎藤登志信ら好メンバーがそろって激突。連日、熱いバトルを繰り広げる。

 

稲垣ハイパワーでⅤつかむ

 

 昨年は序盤こそ順調だったが最後まで勢いに乗り切れなかった稲垣裕之。3月下旬、小倉FⅠでの落車を境にリズムを崩し、GⅠ、GⅡのビッグレースだけでなくGⅢでも思うような成果を挙げることができなかった。4月以降はFⅠも含めて優勝なし。トップレベルでの活躍を意識する稲垣にとっては歯がゆい1年だったに違いない。期が替わった1月から、気持ちを新たに再浮上へ巻き返しをかける。

 

 当然、目指すのは3年ぶり3回目のグランプリ出場とS班復帰。今年の初戦となった立川記念では、いきなりのV奪取とはいかなかったが準決を1着でクリアしてファイナルへ。その次の単発レース、和歌山記念最終日「S級ブロックセブン」(7車立て)は中団4番手からのまくりで快勝。ここまでは、まずまずの滑り出しと言っていい。

 

 小田原は昨年3月、小倉で落車する前にFⅠを走って以来の出場。そこで昨年唯一のVをゲットしている。強敵が多かった中で結果を出したその時のいいイメージも頭に描きつつ力を発揮する。ここを納得いく形で乗り切って、次に控えるGⅠ・別府全日本選抜(2月8~11日)につなげたい。自力勝負を基本に、立川記念二予Aでも連係した京都同士の後輩・藤木裕が勝ち上がった時は前を任せることも。いずれにしてもVチャンスは十分とみていい。

 

 稲垣と近畿でラインを組むのが差し脚に切れのある椎木尾拓哉。今年の初戦は和歌山記念。悲願の地元バンクGⅢ制覇は成らなかったが、昨年MVPの三谷竜生との連係から執念の走りで準決1着、決勝3着。気持ちを切らさずにここに臨み、今度は三谷と同様に力があって信頼できる稲垣との連係から浮上を狙う。

 

 松岡貴久は昨年11月からFⅠで成績が安定。7場所で3V、決勝2着1回。前走静岡でも初日特選、準決をまくり、逃げ切りで連勝と悪くない動きを見せていた。自力を基本に展開に応じて何でもこなせる点が強み。うまく運び、8番手不発となった静岡の分もここでは決勝で強さを発揮したい。

 

 南関勢は簗田一輝―萩原孝之の静岡コンビに地元の白戸淳太郎が続く形で連係となるか。簗田は椎木尾と同様、今年初戦の和歌山記念で決勝へ。ラインの厚みも力にできそうなここでは自慢のスピードを生かして早めの仕掛けを心掛けるか。番手を回る萩原がしっかりと食らい付き直線勝負も。白戸もG前で気合の突っ込みを見せそう。

 

 杉森輝大は今年に入り上昇気配。大晦日から正月3日までの平塚4日制FⅠでは決勝こそ最終バック8番手で見せ場がなかったが、初日から準決まで昨年の終盤とは見違える動きで❷❷①着。前走宇都宮FⅠでも未勝利ながら決勝には駒を進めた。ここもうまく流れに乗れば強烈な仕掛けが決まる。

 

 追い込み型の林巨人と斎藤登志信はそれぞれ、同地区の1班が自身だけ。林は中部・近畿で稲垣、椎木尾との連係も含め、組み合わせに応じた位置取りから切れ味を発揮。斎藤も同じく状況次第で勝負権のある位置を回って直線勝負に懸ける。