FⅠの今節はS級5RとA級6R。S級は自力型を中心に好メンバーがそろう。原田研太朗(徳島・98期)はGⅠ決勝進出4回、GⅢ優勝3回。自力型の中では実績で一歩リードする。
 
 昨年の秋あたりから調子を落としたが今年に入り復調。初戦の1月小松島FⅠで優勝すると2月奈良記念では初日から3連勝でファイナルへ。本来の動きが戻ってきた。当地立川では16年1月に記念初V。その時は脇本雄太、新田祐大、平原康多といった強敵を下しての価値ある勝利。昨年8月にもFⅠで完全Vを決めている。成績のいいバンクだけに、ここも期待が高まる。
 
 8月で50歳となるベテラン・三宅伸(岡山・64期)が中四国で原田と連係とみる。原田とは昨年12月伊東記念初日特選でラインを組んだが、その時は3番手回り。ここは番手で気合の走りを見せるか。原田の仕掛けにしっかり食らい付きワンツーフィニッシュへ。健在ぶりをアピールしたい。
 

根田空史

 

根田 ダッシュ&スピード上位レベル

 根田空史(千葉・94期)も鋭いダッシュとスピードは上位レベル。今年の初戦は1月立川記念。二予6着で勝ち上がりは逃したがシリーズを通して3連対、うち2勝と悪くない動きを見せた。前走佐世保FⅠの準決5着は別線の警戒もあって、7番手からの仕掛けが届かなかった結果。うまく流れに乗って出れば好勝負は間違いない。南関で根田とラインを組むのが五十嵐力(神奈川・87期)と東龍之介(神奈川・96期)。2人は1月いわき平FⅠで2回同乗。いずれも五十嵐が後輩の東に前を任せて連係した。ここも東が前回りで根田に続く形か。タテ脚のある五十嵐は3番手を回ってもG前で鋭さを発揮。直線の長い立川なら必ずしも不利とは言えない。
 

河合佑弥

 

地元期待のルーキー河合

 関東勢は数の面で優位に立つが、決勝メンバーに5人以上となるようだと結束は難しそう。注目は地元期待のルーキーで強力先行の河合佑弥(東京・113期)。1月にA級3場所連続完全VでS級に特進。その後はFⅠ3場所で2回決勝へ。前走京王閣(③②❾)に続き、地元戦で積極策。心意気と力をアピールしたい。3月大宮FⅠで優勝を決めた金子哲大(埼玉・95期)も機動力に磨きを掛けて上昇気配。ただ、ここは河合との連係を想定。武藤龍生(埼玉・98期)の勝ち上がりも考えられ、目指すのは埼京ラインでの上位独占になるか。
 

鈴木竜士

 

スター候補・鈴木 V奪取へ

 17年にヤンググランプリを制した鈴木竜士(茨城・107期)も関東の若手では期待度の高いスター候補。前走GⅡの大垣ウィナーズカップでは初日特選スタートから二予2着で準決へ。当地立川では初出場だった16年8月FⅠ(S級)で3連勝。その時以上の強さでV奪取へ。しっかり力を出し切る。追い込み型でトップレベルの実力を備える諸橋愛(新潟・79期)が鈴木と連係となるか。前S班でFⅠを走るのは1年5カ月ぶり。2月別府全日本選抜のあと2場所を欠場しており、ここが復帰戦。コンディション面がやや気になるが、強い精神力と鋭い差し脚で勝利を目指す。
 

近藤龍徳

 

中部勢 松岡&近藤がタッグ。

 中部勢は松岡篤哉(岐阜・97期)と近藤龍徳(愛知・101期)がタッグ。スピードある松岡がタイミング良く叩いて出るようだと浮上も。島田竜二(熊本・76期)の差し脚も魅力。好位を回れない場合でも、脚をためての直線強襲には警戒が必要だ。
 
<立川バンクと相性のいい選手>
 大塚英伸(静岡・82期)追い込みで力を付けてS級に定着。昨年はFⅠで2Vを決めた。立川はS級で過去3回出場して2回決勝へ。そのうちの1回は今年1月のGⅢ。今期2班でも組み合わせ、展開次第で上位に食い込めるだけの脚を備える。初のGⅡだった前走大垣ウィナーズカップで見せ場がなかった分も、相性いい当地で活躍を目指す。
 
 松岡孔明(熊本・91期)立川に2年10カ月ぶりでの出場だった昨年11月FⅠで①②❷着。その後は1度も決勝に進めずにいるが、9場所の出走で1着8回なら調子落ちはないか。得意のまくりは威力十分。当地で再び連続ヒットを飛ばす可能性は十分にある。
 
<A級見どころ>
 新鋭・嵯峨昇喜郎(青森・113期)がハイパワーを見せる。同期の出世争いでは今節S級戦に出走する河合らに遅れを取る形となっているが実力は確か。今年1月下旬にチャレンジ戦3場所連続完全Vを4度目のリーチで達成。晴れて2班特昇を決めると、1、2班戦でも3連続Vと勢いは止まらない。3回目の出場となる立川ではチャレンジ戦と1、2班戦で1回ずつ完全V。負けなしのバンクで強さを発揮する。平沼由充(福島・83期)、泉慶輔(宮城・99期)が北で嵯峨と連係する。
 
 嵯峨の進撃に待ったをかけるのがA級屈指の先行力を持つ矢口大樹(千葉・95期)。積極性は嵯峨を上回り、ここもスタイルを貫き徹底先行で勝負。同県の中曽直彦(千葉・74期)や柏木伸介(静岡・84期)、遠藤勝行(静岡・73期)の静岡勢とラインを組み押し切りを図る。
 
 戦歴上位は追い込み基本で自在性も備える藤原憲征(新潟・85期)。動くことも可能だが、ここは信越ラインで過去にも連係のある小峰烈(長野・98期)の仕掛けに乗っての勝負となりそう。地元のベテラン・深井高志(東京・63期)は埼京同士で先行力ある笠松将太(埼玉・100期)を目標に浮上がある。
 
 近畿は酒井拳蔵(大阪・109期)―篠塚光一(兵庫・90期)、中部は堀兼壽(岐阜・105期)―光岡義洋(愛知・73期)で、酒井と堀はまくりの決まり手が多い。九州の主力は、ともに機動力のある井上将志(福岡・98期)と瓜生崇智(熊本・109期)あたり。四国の追い込み型・増田鉄男(徳島・74期)も位置次第で上位に食い込む。