開設70周年記念宇都宮競輪ＧⅢ「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」は、16日から19日まで４日間にわたって開催される。

　Ｓ級Ｓ班は平原康多、浅井康太、村上義弘の３選手。そのほか２月別府全日本選抜覇者の中川誠一郎、松戸ダービーファイナリストの渡辺雄太、原田研太朗、菅田壱道ら豪華メンバーがそろって激突する。

　また最終日（19日）第６Ｒでは「Ｓ級ブロックセブン」が高久保雄介、北野武史、桜井正孝、小林大介、西田雅志、亀井久幸、下沖功児の７選手の出走により実施される。

□今年はまだ優勝がない平原康多。それでもＧⅢ決勝で４回確定板入り。調子としては悪くない状態も、計３回のＧⅠ、ＧⅡは全て準決で４着。決勝進出を逃した。

□前走松戸ダービーでは準決以外３走で連対。動きは悪くなかったが、脚力でワンランク上をいくナショナルチーム勢に苦しめられた。まず２走目のゴールデンレーサー賞。平原は吉沢純平に前を任せて、後ろに諸橋愛でライン３車。赤板から強引に叩きに出た吉沢が不発になるとみるや、平原はこれを追わず７番手に位置。最終１角からまくりを放った。しかし、単騎で９番手から踏んだ脇本雄太のスピードが桁違い。外から一気にのみ込まれ、平原は２着。パワーの差が浮き彫りになる一戦だった。

□準決では深谷知広が打鐘から先制。６番手となった平原は２車前の４番手からまくった渡辺雄太の動きを見て最終３角で内へ。深谷が力強く逃げ切り、Ｇ前で伸び切れなかった平原は３着までに届かなかった。

□これらダービーでの経験を踏まえ、最強の自在型がさらに高い次元へ。ここでは関東地区のエースとしても注目を集める。ダービーでも連係した吉沢や川崎記念準決でワンツーの吉田拓矢、地元記念10回目のＶを狙う神山雄一郎、その弟子の神山拓弥らとの強力ラインを想定。また埼京同士の新鋭・河合佑弥との初連係が実現するかどうかも焦点の一つ。いずれにしてもラインの軸として、しっかり実力をアピールしたい。

□浅井康太は３月、４月に落車。肋骨骨折など連続でダメージを負った。万全でない中で戦ったダービーでは二予と準決で深谷と連係。いずれも深谷が前で主導権。二予は差して１着を獲ったが、準決は内から古性優作に飛び付かれて番手を奪われ７着。平原と同じレースで決勝入りを逃した。ダービー後、ここまでは中９日。鍵は状態面となるか。動く組み立てか、先行力ある竹内雄作と中部での連係も。平原同様、状況次第で柔軟に対応。勝てるように運ぶ。

□村上義弘も落車の影響が残り、なかなか成績が上向かない。ダービーでは脇本と２度連係も、加速する脇本に離されてしまった。前が強過ぎたと言えばそれまでだが、状態が万全なら結果は違っていたはず。ここは若手で勢いのある南潤と連係。京都同士の稲垣裕之や14年に当地で高松宮記念杯を制した稲川翔がラインに加わることも。近畿で力を合わせて浮上を狙う。

　今年の宇都宮記念は直近５回の優勝者がそろう。13年浅井、15年佐藤慎太郎、16年園田匠、17年北津留翼、そして昨年に続き連覇を狙うのが中川誠一郎だ。２月ＧⅠ、別府全日本選抜では単騎の不利を問題にせず残り１周から仕掛けて逃げ切りＶの離れ業。ツボにはまった時の強さは計り知れない。鋭いダッシュを武器に存在感を示す。

□松戸ダービーで決勝に進んだのが渡辺雄太、原田研太朗、菅田壱道の３人。渡辺は走るごとに強さを増している印象。南関のスター候補として近い将来の飛躍を予感させる。記念は昨年２Ｖ。ここも確かな機動力で好勝負を演じる。

□勢いづく中四国地区で主力の一角を担うのが原田。得意のまくりを基本に出てＶ争い。菅田はダービー３着でＧⅠの決勝で初めて確定板に。ここも流れを引き寄せるとＶ戦線へ。自在な立ち回りで勝利を目指す。

□佐藤はダービー準決でも連係した菅田に託しての勝負だろう。あおりを受けて外に膨れた無念さをここで晴らせるか。直線の長い500走路で真価を発揮する。