当地ホームバンクの立川ではS級での優勝がまだない河村雅章。1月記念では過去に3回決勝に進み、今年は3着に食い込んだ。平原康多と埼京で連係し、中団を確保した平原は二段駆けでVの清水裕友に4分の1輪差まで迫って2着。河村も直線で外を鋭く伸びたが惜しくも届かず、Vチャンスを逃した。それでも強敵がそろうGⅢの決勝(9車立て)で堂々の確定板入りは確かな実力があってこそ。ここで欲しいのは決勝での1着だけ。記念で果たせなかった悔しさも力にしてペダルを踏み込む。戦法は自力基本だが東京の後輩・高橋築や埼京同士の金子哲大と連係できそう。条件に不足はなく、有利な流れを生かして念願の勝利をつかみ取る。
実力上昇中の高橋は立川ではなく京王閣がホーム。とはいえ、ここも大事な地元戦。3月佐世保以降に、FⅠで合計5回決勝入り。前期の最終戦だった6月当地FⅠでは予選、準決と連勝。決勝は打鐘から果敢に出て2着に逃げ残りパワーアップを強く印象づけた。その時のいいイメージはまだ残っているはず。7車立てとなっても自信の走りで押し切りを狙う。
金子は今期に入り7車立て3場所目の前走青森FⅠで今年初V。決勝は4番手キープからまくりを放ち、ライン3車で二段駆けに出た坂本周輝―佐藤和也―杉山悠也の北勢を外から制した。勢いを維持していれば、ここも好勝負必至。基本は自力で持ち味を発揮。地元勢をもり立てつつV争いへ。しっかりと強さを見せる。
青森勢が機動力ある坂本周作と小原佑太でタッグか。両者は6月川崎FⅠの決勝で初連係。その時は小原が8番手不発で共倒れに。その分も、ここでは力を出し切ることを意識する。坂本は3月別府FⅠでS級2回目のシリーズVを決めるなど着実にステップアップ。ナショナルチームBに所属する小原も高いポテンシャルを備え、前走函館では初GⅢでシリーズ3勝を挙げた。小原が積極的に仕掛ければ、後ろを回る坂本に流れが向くことに。今度こそ好連係を決めたい。
宮城の2人は自在性ある桜井正孝と差し脚鋭い竹内智彦。青森勢と北日本での連係も含め、状況に応じた運びで浮上も。竹内は前走前橋FⅠでV。同県の佐藤雅春が前で駆け、番手回りから有利な流れをものにした。ここも桜井が動けば同県での連係だろう。前々に攻める後輩の動きに乗って伸びると怖い。
南関は神奈川の近藤俊明と嶋津拓弥が師弟の間柄。当然、嶋津が師匠の前で気合の仕掛け。息の合った連係で上位進出を目指す。