「中野カップ」のタイトル奪還を狙う九州勢に続き、2回目は昨年末の静岡グランプリを制し、初の賞金王に輝いた三谷竜生(奈良・101期)を核とする近畿、中部の精鋭たちをクローズアップする。
 

三谷竜生 見せろ!!王者の意地

近畿の主砲としてV争いをリードする三谷竜生

 
 昨年5月の平塚で史上7人目となるダービー連覇を達成した三谷竜生は同年6月の高松宮記念杯で3度目となるGⅠ優勝を飾った。さらに年末の静岡グランプリまで制してしまった。昨年、三谷の年間獲得賞金額は2億5531万3000円。初の賞金王に輝くと同時に年間獲得賞金額の新記録を達成している。
 
 近畿の結束が追い風になった。とくに前回りした脇本雄太が功労者と言っていいだろう。しかし、そのめぐり合わせの場に三谷は常にいた強運の持ち主でもある。今年の三谷は最初のGⅠ全日本選抜(別府)の2日目スタールビー賞で落車。左肩鎖関節を脱臼し40日の欠場を余儀なくされた。
 
 5月松戸ダービー、直前の高松宮記念杯(岸和田)でも決勝進出を逃す屈辱を味わったが、宮杯初日の西特選では脇本の強烈な巻き返しにもピタリ追走。最終3角で清水裕友のけん制をかいくぐり、返す刀で番手差しを決めたあたり復調ムードが漂う。当地は2年前のFⅠナイター以来、3度目の参戦となるが、チャンピオンユニホームを身にまとう今回は立場が違う。近畿の主砲として、力強くV争いをリードする。
 

◇三谷竜生・久留米成績◇
レース名 開催年月 成績
GI全日本選抜 2016年2月 ②①⑧⑧
FIナイター 2018年4月 ❶①❺

 

当地好相性の不破将登に食指

競走得点を108まで押し上げた不破将登

 
 近畿、中部にも実力者、個性派が顔を並べる。筆頭格がSS班でチャンピオンユニフォームを着る三谷竜生であることは異論あるまう。東口善朋、椎木尾拓哉の和歌山コンビが三谷を後押しする。ともに目標を得たときのしぶとさには定評がある。三谷とセット配分ということは、つまり東口、椎木尾にもチャンスがあるということだ。
 
 伊東記念で落車した野原雅也は体調面が懸念されるところだが、力は着実に付けている。野原がラインの先頭で戦う布陣になるようだと近畿勢が笑うパターンも十分だ。マーク巧者の前田拓也、馬力駆けが持ち味の高久保雄介、一発ある伊藤信らが予選道中で波乱を演出する。
 
 中部は競走得点を108まで押し上げた不破将登に食指が動く。当地は昨秋の熊本記念代替え開催にも参戦し②⑥③①と見せ場を作ったし、FⅠで2度準優勝するなど好相性だ。渡辺健、山内卓也のベテランマーカーに加え、タテ脚兼備の森川大輔や好調松岡篤也らが上位に挑む。中部勢の結束戦にも注目したい。
 

◇中部・近畿地区の有力選手◇
選手名 出身 期別 班別 4カ月着
①②③外
脚質 競争
得点
賞金
三谷 竜生 31 奈良 101 SS 51119 自在 112 1075
渡辺  健 46 愛知 76 S1 32619 追込 103 717
山内 卓也 42 愛知 77 S1 14616 追込 102 720
東口 善朋 39 和歌山 85 S1 26517 追込 109 1495
森川 大輔 31 岐阜 92 S1 3439 差捲 102 704
椎木尾拓哉 33 和歌山 93 S1 15214 追込 111 1056
野原 雅也 25 福井 103 S1 3207 先捲 107 557
前田 拓也 45 大阪 71 S2 64313 追込 106 596
伊藤  信 35 大阪 92 S2 73514 捲先 102 886
不破 将登 30 岐阜 94 S2 104412 先捲 108 1049
松岡 篤哉 36 岐阜 97 S2 74217 捲先 104 732
高久保雄介 32 京都 100 S2 92115 先捲 104 821

※賞金は万円