富山競輪の「スポーツニッポン杯(FⅠ)」は5日からスタート。屈指の実力者の浅井康太を筆頭に豪華メンバーが集結する。浅井の牙城を脅かすのは島川将貴-小倉竜二の徳島勢。稲垣裕之、東口善朋らの近畿勢も総合力で負けていない。熱戦必至の3日間だ。
 

パワー無限大

島川 将貴

 
 今年になっての快進撃は目を引く。優勝は6月松山FⅠの1回だが、レース内容は圧巻だ。7月の地元・小松島記念では4日間、主導権を握って、原田研の地元Vの立役者となった。以後も好調をキープ。8月名古屋オールスターでは2、1着で準決勝に勝ち上がり、新田祐、117期の寺崎浩を出させることなく先手を取り切った。
 
 直前となる伊東GⅡでは初のビッグレースでの決勝進出に期待がかかった。初日は自動番組でしかない、まさかの徳島4人で同乗となり分断を受けての4着に終わったが、2日目は持ち味のパワー全開で他ラインを完封。準決勝の走りが注目された。結果は新山響との激しい先行争いになり、山崎賢に捲られたが「絶対に先手は取る」との気迫にあふれたレースだった。
 
 今年になって急上昇の理由は、脚力アップはもちろんメンタル面での強化にもあった。以前は仕掛けるところで仕掛けられないもどかしさを感じていたが、今は先行争いを辞さず、強い気持ちで仕掛けて結果を残している。コロナの影響で開催中止が続く中にあっても、自分の走りを見つめ強さを求め続けてきた。自転車のセッティングに関しても、1着後にもかかわらず調整を口にするなど少しも妥協することはない。強いと評判の徳島勢の中にあっても皆は「島川が一番強い」と、今や徳島勢のエースに成長した。
 
 このシリーズが終わればGⅠ寬仁親王牌(前橋・15~18日)が待っている。初のGⅠ決勝進出を目指し、さらなる弾みを付ける激走に注目だ。